リスティング広告は「キーワード」をきっかけにして検索表示結果に表示される広告です。
広告が表示されるには、キーワードを入力する度に「オークション形式」で決まります。
オークション形式で決まるという事は、キーワードによってクリック単価が変動する事になります。検索数が多いキーワードはそれだけ需要があり、クリック単価も高くなります。
この記事ではキーワード、検索数、クリック単価の関係性について解説をしますね。これらの関係性が理解出来れば、リスティング広告でのロングテール戦略の有用性が理解できます。
CONTENTS
人気のあるキーワードはクリック単価が高い
クリック単価はオークション形式で決まります。
つまり、人気のあるキーワードには需要が集中するため必然的にクリック単価が高まる事になります。キーワードの中にはクリック単価が1000円を超えてしまうキーワードも業種によっては存在します。
一般的に、
「高単価なキーワード」=「人気がある」=「成果が繋がりやすい」
という図式が成り立ちますが、クリック単価の高いキーワードを設定すると、広告予算をすぐ使い切ってしまうリスクもあるため、クリック単価はキーワードを選定する上で重要な要素と言えます。
キーワードの種類を理解しよう
では、どの様なキーワードが人気で高単価であるのでしょうか?これにはキーワードが「何語」で組み合わされているかで考えると理解が進みます。
1.キーワードが何語で構成されているか
例えば「アルバイト」というキーワードは1語で構成されています。「アルバイト 東京」は2語で構成されています。「アルバイト」と「アルバイト 東京」では「アルバイト」の方が検索数が多いのは明白です。
一般的に、キーワードの数が少なければ検索数が多く、組み合わされるキーワードの数が多ければ検索数が減っていく傾向にあります。
キーワードは検索数の多い順に「ビッグワード」「ミドルワード」「スモールワード」と分類されていきます。
2.ビッグワードは検索数が多く、クリック単価も高い
そして一般的には、ビッグワードはクリック単価が多い傾向にあります。
つまり、
ビッグワード = 検索数が多い = クリック単価が高い
と考える事が出来ます。
ではリスティング広告はビッグワードに入札をすればいいのかというとそういうわけではないのです。
成果に直結するキーワードを選定しよう
アルバイト関連のキーワードについて考えてみましょう。
1.「アルバイト」のワードで検索するユーザーの心理
アルバイトはビッグワードであり、アルバイトというワードで検索するユーザーには、以下の様に様々なニーズを持っているユーザーと考える事が出来ます。
アルバイトのワードを検索するユーザー・アルバイトに興味を持っているユーザー
・自分の自宅の近くでアルバイト先を探しているユーザー
・アルバイトについて調べているユーザー
2.「東京 アルバイト」のワードで検索するユーザーの心理
では、「東京 アルバイト」というキーワードをどうでしょうか。
アルバイトの1語に比べると検索数自体は減るものの、ユーザーの意図はアルバイトよりも明確です。
「アルバイト 東京」というワードで検索するユーザーは以下の様なニーズを持っているユーザーと考える事が出来ます。
東京 アルバイトと検索するユーザー・東京でアルバイトを探している
仮に自社が、アルバイトの求人のサイト運営をしている場合、「アルバイト 東京」のキーワードは「コンバージョン」が見込めるキーワードと考える事ができるでしょう。
この様に、ビッグワードよりもミドルワードやスモールワードの方が、ユーザーの意図がはっきりしているため、その分「成果につながりやすいキーワード」と考える事ができます。
成果につながりやすい事は「コンバージョン率」が高い事を意味します。
クリック単価もビッグワードに比べれば低いので、結果的にCPAも低く抑える事ができます。
補足:ビッグワードの方がクリック単価が低い業界も存在する
1部のビッグワードのクリック単価が高騰している業界では、ミドルワード、スモールワードでのクリック単価も高騰しているケースがあります。
「競合」も「自社」と同じく、ミドルワード、スモールワードで広告配信をする戦略を考えているためです。このような業界においてはビッグワードの方がクリック単価が低いケースもあります。
WEBマーケティングが進んでいる業界に多い傾向があります。
キーワードをロングテール化しよう
ミドルワード 、スモールワードで広告配信をする事が「リスティング広告の成果」に繋がりやすい事が分かりました。
一方でミドルワード、スモールワードは検索数が少ないというデメリットも持ち合わせています。
そのため、「リスティング広告の効果を最大化」させるためにはスモールワード、ミドルワードの数を可能な限り網羅するのです。
この様にする事によってコンバージョ率の高さと検索数の多さを両立する事が可能になります。
この検索数が少ないミドルワード、スモールワードを幅広くカバーすることにより、検索数をトータルで底上げする事により、全体の売上を底上げする考え方は「ロングテール」と呼ばれます。
ロングテール理論とは
リアルの小売店の世界では「上位20%の売れ筋商品が全体の売上の80%を占める」という傾向があり、店舗運営上のコスト感を考え「下位80%の商品」は軽視される事が一般的でした。
ところが、Amazonを始めネットショップの台頭により「下位80%の商品」で売上を伸ばす事が可能になりました。
一つ一つの売上販売数は少なくても、商品の種類を増やす事により売上を積み上げて、結果的に「上位20%の売れ筋商品」よりも全体の売上を占める事が可能になったためです。
リスティング広告での成功モデルは、このロングテールの考え方をキーワードに当てはめたものと考える事が出来ます。
まとめ
リスティング広告の効果を最大化させるためには、いかに有効なミドルワード、スモールワードを追加していくかが鍵となる事が分かりました。
キーワード、検索数、クリック単価の関係性を本質的に理解する事が出来ればキーワード選定を適切に行なえるでしょう。
この記事ではミドルワード、スモールワードでの入札を勧めていますが、ビッグワードで入札をしてはいけないかというと、そういうわけではありません。スモールワード、ミドルワードで「具体性のあるニーズが顕在化したワード」を網羅する事が出来た次の段階では、リスティング広告の戦略を拡大する必要があります。「顕在層」のみへのアプローチでは限界が訪れるため「潜在層」へのアプローチも必要になるからです。そこで、ビッグワードへの入札が必要になります。ビッグワードには色々なモチベーションの意図が含まれていますから「潜在層」へのユーザーにもアプローチを広げるには「打ってつけのワード」になります。