「GDNの目標コンバージョン単価って何?効果はあるの?難しそう・・・。」
この記事では、こんな疑問に答えていきます。
AI時代において、自動入札を味方につけると様々なメリットを享受できます。
とりわけ、GDNで「目標コンバージョン単価」を適切に活用すれば、以下の好循環を起こせます。
- 入札を弱めた方がいい場合は、入札を弱くして確実にCVを獲得。(CPAが下がる)
- 入札を高めた方がいい場合は、入札を高めて強気にCVを獲得。(CV数が底上げされる)
- 結果的にCVの獲得数が最大化される。
ただ、上記を満たすには「適切な使い方」が大事になってきます。
先の結論を言うと、目標コンバージョン単価で成果を出すには以下が大事です。
- 手動入札でまずは成果を出す。(機械学習の質を上げるため)
- 適切な値を「目標コンバージョン単価」に設定する。(自動入札の精度を上げるため)
- 自動入札に切り替えたら、「短期的な成果のブレ」には目をつぶる。(機会学習にはある程度の時間がかかるため)
今回は「GDNの目標コンバージョン単価」について徹底解説します。
CONTENTS
目標コンバージョン単価とは
「目標コンバージョン単価」は、スマート自動入札の一つです。
運用者が指定したコンバージョン単価(CPA)で最大限にCV獲得が進むよう、入札が自動で調整されます。
例えば、目標コンバージョン単価を2000円に指定した場合を考えてみます。
この場合、平均2000円でできる限り多くのコンバージョンを獲得できるよう、入札単価が自動で調整されます。
スマート自動入札の仕組み
目標コンバージョン単価を使いこなすために、「スマート自動入札」の仕組みを理解しましょう。
スマート自動入札とは、機械学習を使用してコンバージョン数やコンバージョン値の最適化が進むように、自動で入札が行われる機能です。
スマート自動入札では、運用者が判断するには到底難しい数百万~数千万通りの「シグナル」の組み合わせを、オークションが発生するごとに考慮し、入札単価を決めていきます。
シグナルとは
個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定する属性を意味します。
以下が、スマート自動入札で考慮される代表的なシグナルです。
・デバイス
・曜日・時間帯。
・年齢・性別。
・ブラザ
・プレースメント。(GDNの場合)
・サイトでの行動
・リマーケティングリスト
・広告の特性
・…etc
Googleはこれらのシグナルを参考にして、高度な機械学習を進めていきます。
機械学習を活用したスマート自動入札は、AI時代における入札方法と言えます。
また、スマート自動入札には、以下の4種類があります。
- 目標コンバージョン単価。
- コンバージョン数の最大化。
- 目標広告費用対効果。
- 拡張クリック単価。
目標コンバージョン単価は、スマート自動入札の一つの機能というわけです。
目標コンバージョン単価を活用するメリット
目標コンバージョン単価を活用するメリットを見ていきましょう。
コンバージョン数が飛躍的に増える
一番のメリットは、適切なタイミングで活用をすれば、コンバージョン数を飛躍的に増やすことができる点です。
これは、手動入札と比べてみるとよく分かります。
例えば、手動入札では設定した入札価格が上限値になり、機会損失が起こるリスクを避けることができません。
仮に、入札を低くしまうと、競合とのオークションに勝てる回数が減るので、広告表示の機会が失われるからです。
では、手動で入札を高くすればいいかと言うと、そう問題は単純ではありません。
入札価格を一気に上げると、クリック単価も上がるので、CPAが高騰するからです。
「入札をどうするべきか」という点は悩ましく、決して簡単ではないのです。
しかし、目標コンバージョン単価を適切に活用すれば、入札へのハードルは下がります。
機会損失を防ぎつつも、目標コンバージョンが達成されるように、入札調整が自動で行われるからです。
目標コンバージョン単価を適切に活用することで、以下のメリットが得られます。
- 入札を弱めた方がいい場合は、入札を弱くして確実にCVを獲得。(CPAが下がる)
- 入札を高めた方がいい場合は、入札を高めて強気にCVを獲得。(CV数が底上げされる)
- 結果的にCVの獲得数が飛躍的に増える。
目標コンバージョン単価の設定方法
実際に目標コンバージョン単価を設定していきましょう。
1.まずは、目標コンバージョン単価を適用したいキャンペーンを選択。
2.「設定」をクリック。
3.「単価設定」をクリック。
4.「入札戦略を変更」をクリック。
5.「目標コンバージョン単価」を選択。
6.「目標コンバージョン単価」の値を記入をして「保存」をクリック。
これで、入札戦略が「目標コンバージョン単価」に変更できました。
目標コンバージョン単価を最大限活用するために
目標コンバージョン単価を活用して、成果を出すための「考え方」「方法」を見ていきましょう。
手動入札でまずは成果を出す
目標コンバージョン単価(スマート自動入札)は、「どのタイミングで活用するか?」で成果が変わります。
先に結論を言うと、目標コンバージョン単価のベストな活用方法は以下です。
- まずは手動入札で成果を出す。(アカウントを安定させる)
- 成果が安定したタイミングで、目標コンバージョン単価を活用する。(CV数を飛躍的に増やす)
大事な部分ですので、詳しく見ていきましょう。
まず、成果が出てない状況で自動入札を使おうとしても、Googoleの機械学習の質が落ちます。
機械学習の精度が悪いまま、目標コンバージョン単価を活用しても、成果は最大化されません。
それどころか、以下の悪循環に陥ります。
- CPAが高騰したまま、機械学習が進む。(質の悪いデータが溜まる)
- CV数が少ないまま、機械学習が進む。(学習期間が長引く)
- 結果的に、目標コンバージョン単価を使っても、良い影響が中々出ない。(むしろ、成果が悪化する)
上記を避けるためには、先に手動入札で成果を出す必要があるのです。
具体的には、アカウントを以下の状態に整えるのが望ましいです。
- CPAをできる限り下げる。
- CV数をできる限り獲得する。
この状態で、目標コンバージョン単価を活用すれば、機械学習の質が高まります。
機会学習が順調に進めば、以下のように最適な自動入札が行われます。
- 入札を弱めた方がいい場合は、入札を弱くして確実にCVを獲得。(CPAが下がる)
- 入札を高めた方がいい場合は、入札を高めて強気にCVを獲得。(CV数が底上げされる)
- 結果的にCVの獲得数が飛躍的に増える。
適切なタイミングで活用をするだけで、成果が大きく変わるのです。
自動入札を使っても、うまくいかないパターンは多くあります。その大きな理由の一つは、自動入札から得られるメリットを最大化できるように、アカウントを構築できていないことにあります。
適切な値を設定する
目標コンバージョン単価の値は、必ず適切な値を設定しましょう。
なぜなら、自動入札は以下のロジックで動くからです。
- 「低過ぎる目標コンバージョン単価の値」を設定すると、自動入札が行われなくなる。(目標達成できないと判断される)
- 「高過ぎる目標コンバージョン単価」を設定すると、入札単価が大幅に高くなる。(CPAが高騰する)
大事な部分ですので、詳しく見ていきます。
例えば、過去のCPAが10000円の場合を考えてみましょう。
この状況で、目標コンバージョン単価を「1000円」に設定するとします。
そうすると、自動入札はCPAが1000円に近づくように調整されるのではなく、入札自体をやめてしまうのです。
なぜなら、目標達成が不可能だと、Goolgeのシステムが判断するからです。
そもそも入札が行わなければ、 CV獲得のチャンスすら有りません。
では、逆に目標コンバージョン単価を「50000円」に設定すればどうなるでしょうか。
この場合は、許容CPA(10000円)よりも遥かに余裕があるので、自動入札はどんどん行われます。
しかし、目標コンバージョン単価(50000円)の値に、CPAが収束されるように、入札が調整されるので、クリック単価が大きく高騰します。
結果的に、CPAも大幅に高騰するので、そもそも予算内でCV獲得が最大化されません。
だから、目標コンバージョン単価は「適正な数字」を設定しましょう。
「では、どのくらいの値を設定するのがベストか?」と問われれば、今までのアカウントで達成してきたCPAを用いるべきです。
こうすることで、以下の好循環を起こせるからです。
- 無理のない範囲で自動入札の機会が最大化される。(実現可能な数字だから)
- 結果的にCV獲得数が増える。(入札の機会が増えるから)
学習期間には時間がかかることを理解する
自動入札(目標コンバージョン単価)で成果を出すためには、入札を切り替えたタイミング(手動から自動へ)で、しばらく「待ちの姿勢」をとることが大事になります。
実際に目標コンバージョン単価を活用してみると分かるのですが、機会学習期間中は、一時的に成果が不安定になります。
このタイミングで多くの運用者は、手を加えてしまい、以下の悪循環に陥ります。(よくあるパターンです)
- 成果が悪化したから設定を変える。
- 機械学習が新たに再スタートされるので、また成果が不安定になる。
- 結果的に、自動入札で失敗をする。(成果を獲得できない)
上記を避けるためには、一度適切な設定をしたならば、短期的な成果のブレには目をつぶることが必要です。
ですが、どうしても目先の成果が悪化すると、焦りが生じるものです。
そこで、目標コンバージョン単価を使うタイミングでは、以下のような設定をするといいです。
- 自動入札を使うキャンペーンの日予算はあまり多くしない。(損失を抑えられるから)
- 機械学習が進み、自動入札のパフォーマンスが上がってきたら、日予算を上げる。(CV数を取りに行く)
機械学習期間中はリスクをなるべく抑えつつ、学習後に獲得姿勢を強めれば、無理のない範囲で最大限CVを獲得できます。
参考までに、Googleは以下の期間で機械学習を進めるとされています。
- 過去30日間で30件のCVがあれば、時間をかけて機械学習が行われる。
- 過去30日間で500件のCVがあれば、短期間で機械学習が行われる。
上記を考慮しても、自動入札では成果が安定するまで「見守る姿勢」が重要と言えます。(月間500CVは簡単ではないため)
まとめ
今回はスマート自動入札の「目標コンバージョン単価」について解説をしました。
目標コンバージョン単価を適切に活用すれば、以下のメリットを享受できます。
- 入札を弱めた方がいい場合は、入札を弱くして確実にCVを獲得。(CPAが下がる)
- 入札を高めた方がいい場合は、入札を高めて強気にCVを獲得。(CV数が底上げされる)
- 結果的にCVの獲得数が飛躍的に増える。
目標コンバージョン単価で成果を出すためには、適切に扱うことが大事です。
以下のポイントを押さえましょう。
- 手動入札でまずは成果を出す。(機械学習の質を上げるため)
- 適切な値を「目標コンバージョン単価」に設定する。(自動入札の精度を上げるため)
- 自動入札に切り替えたら、「短期的な成果のブレ」には目をつぶる。(機会学習にはある程度の時間がかかるため)
機械学習の時代において、自動入札を味方につけることは、突き抜けた成果を出すには必須と言えます。
とりわけ、目標コンバージョン単価はバランスのいい入札ロジックです。
使いこなせれば、「CV数の最大化」というメリットを享受できます。