リスティング広告

掲載順位を上げて、リスティング広告の成果を上げる。

掲載順位を上げて、リスティング広告の成果を上げる。

リスティング広告で最適化を図る時、どんな施策をかけていきますか?

代表的なものには、「キーワードの追加」、「広告文の改善」、「入札の調整」が挙げられ、大半の運用者もこの観点から最適化を図っていきます。

しかし、意外と盲点とされているのが「掲載順位の最適化」です。

一般的に、掲載順位を上げればクリック単価が高騰しやすく、無理に上位表示を目指すべきではありません。特に、一位を狙えばCPAが悪化しやすく、運用に失敗する場合があるからです。

しかし、掲載順位を上げると、成果も比例して伸びるケースがあるのです。つまり、このシチュエーションでは、意図的に上位表示を狙った方がパフォーマンスが向上します。

今回は、「掲載順位を上げて成果を出すポイント」について徹底解説します。

掲載順位を上げると成果が高まるメカニズム

掲載順位を上げて成果が高まるのは、どんなシチュエーションでしょうか?

一般的には、掲載順位が上がるとクリック率が高まるので、同時にクリック数も増えます。ここまでは良いのですが、問題は次です。上位表示を狙って入札を上げると、クリック単価が高騰します。

下図をご覧下さい。

クリック単価が上がると、CPAが悪化することが分かります。

つまり、入札を上げて掲載順位が上がっても、間接的にCPAが圧迫され、逆に成果が悪くなるのです。これが、簡単に上位表示を狙えない理由です。

ところが、違った側面から考えてみると、話は変わります。先程の図をもう一度確認下さい。

CV率が上がると、CPAが改善されます。このメカニズムがうまく働けば、掲載順位を上げても、成果が悪化することはありません。

例えば、以下のシチュエーションで考えてみましょう。

  • クリック単価 : 350円。
  • CV率 : 2%
  • CPA:17500円。

仮に、入札を上げて掲載順位が上がり、クリック単価は「400円」、CV率は「4%」に変化したとします。すると、先程の式に則ると、CPAは10000円となり、成果が改善されます。

つまり、クリック単価の変動以上にCV率が伸びる場合では、掲載順位を上げることで、パフォーマンスが向上するのです。

また、広告が上位に表示されると、クリック数が増えることは先述の通りです。すると、このシチュエーションにおいてはCV数が底上げされます。なぜならCV率が向上しているので、成果が出やすい状況だからです。

まとめると、掲載順位を上げてCV率の改善が見込める場合では、以下のプロセスが成り立ちます。

  • 掲載順位が上がりCPAが改善される。
  • 掲載順位が上がりCV数が増える。(CV率が改善され、クリック数が増えたから)
  • 上記の二つを合わせると、リスティング広告の成果が改善される。

このメカニズムこそが、「掲載順位が上がる」->「成果が改善する」の正体です。

掲載順位を上げた方がいい場合

では、掲載順位が上がってCV率が改善されるパターンを見ていきましょう。ここでは、商材の「比較検討の期間」に焦点を当てていきます。

一般的に、早く悩みを解決したい場合、または商材へのこだわりがないシーンでは、見込み客は比較的早く購入を決意します。商品選定に時間をかけるより、早く問題を解決したいと考えるためです。

この状況をリスティング広告に当てはめてみましょう。できる限り早く購入を済ませたいユーザーは、広告を見つけ次第クリックをし、内容を満たせるサイト(悩みが解決される商品)だと判断すれば、CVをしてくれます。

つまり、このシチュエーションでは「掲載順位が高い」->「CV率が高い」の図式が成立します。広告が上位に表示されれば、ユーザーの目につきやすく、購入意欲の高い見込み客(CVしやすいユーザー)に接触しやすいからです。

この観点から考えると、以下に該当する商材では、掲載順位を上げる戦略をとるのが望ましいです。

・緊急性の強い商材。
・比較検討に時間をかけない商材。

それぞれ見ていきましょう。

緊急性の強い商材

緊急性の強い商材では、掲載順位を高めることで、リスティング広告の成果が向上しやすいです。

ここでは、「水道工事の業者」を事例に進めていきます。ユーザーが、水回りの業者へ依頼するシチュエーションを考えてみましょう。

  • トイレが詰まってしまい、水が流れない・・・。
  • 水道から水が出なくなってしまった・・・。
  • 配水管がつまってしまい、故障してしまった・・・。

どれも、すぐに解消したい問題ばかりではありませんか?

こんな悩みに直面したら、「トイレ 流れない」「水回り 業者」等のキーワードに喚起され、検索をかけることに異論はありません。

さて、これらのキーワードで、検索活動を行うユーザーの心理を一般化してみましょう。

上図のように、比較検討に時間をかけず、すぐに業者を決めてしまう場合が多いのです。なぜなら、業者を比較することよりも、早くトラブルを解決したい気持ちが上回っているからです。

もちろん、全てのユーザーがこのように活動するわけではありません。しかし、配信量が増えるほど上記の傾向が見て取れます。ネット上におけるユーザーの活動は、ある程度のモデル化(一般化)が可能であり、Web広告の面白い部分の一つでもあります。

ですから、緊急性の強いサービスでは掲載順位を上げることで、CV数を稼ぎやすくなります。「早く悩みを解決したい」と感じているユーザーに接触しやすいからです。

言い換えると、入札を高めてクリック単価が高騰するデメリットより、CV率が改善されるメリットが上回るので、成果が向上します。

その中でも、より緊急性の高いワードでは、更にCV率が向上する傾向にあり、一位を狙いにいくことで最適化が進みます。

比較検討に時間をかけない商材

比較検討に時間をかけない商材では、掲載順位を高めることで、成果を改善しやすいです。

例えば、新宿にある居酒屋への集客で考えてみましょう。仮に、「新宿の居酒屋へ飲みに行きたい」という明確な欲求があるユーザーは、自分のニーズが満たせそうなサイトを見つければ、すぐにCVしてくれる傾向があります。

長い日数をかけて、「どのお店へ行こうか?」とは考えません。

それよりも、「雰囲気が良さそうお店だ!」「お得なサービスがある♪」といった情報をWebサイトから読み取れれば、それで決め手となり、予約に繋がりやすいのです。ですから、ユーザーの検索活動において、以下のモデルがある程度成り立ちます。

つまり、この流れをリスティング広告に置き換えると、掲載順位を高めれば、検討意欲の高い見込み客(CVしやすいユーザー)へアプローチしやすくなる、というわけです。

もちろん、全部がこのパターンになるわけではありません。しかし、広告の配信量が増えるほど、上記の傾向に落ち着いてきます。

以下は、私が居酒屋への集客に携わっていた際の運用データです。

  • 広告予算 : 10万円。
  • CV数 : 28件
  • CPA : 3500円。

当初は、広告予算が少ないこともあり、無理に掲載順位を上げない方針を取っていました。しかし、予算内でCV数を更に増やす際に取ったアプローチが、全体的に掲載順位を上げる方針です。

更に、CVが見込めるキーワードでは、一位を取りに行く戦略に変更しました。

その結果が以下です。

  • CV数 : 50件
  • CPA : 2000円。

入札を上げてクリック単価はやや高騰しましたが、それ以上にCV率が伸びたので、CPAが改善され、CV数も増加しました。

この様に、比較検討に時間をかけない商材では掲載順位を上げることで、効率よくCVを稼ぐことができます。

掲載順位を上げる際に気を付けるポイント

掲載順位を上げる上で、気を払うべきポイントを見ていきましょう。

ランディングページの訴求力を高める

大前提として外せないのが、ランディングページの訴求力です。

広告が上位に表示され、検討度の高いユーザーへ接触できても、ランディングページの訴求がずれていれば、逆にCV率が悪化します。

先ほどの、居酒屋への集客で考えてみましょう。仮に、「新宿 居酒屋 おすすめ」と検索をかけたユーザーを、鉄板焼きのサイトへ送客すれば、どうなるでしょうか?

当然、CV率は低下します。

それでも、早くお店を決めたいユーザーならCVしますが、全体のCPAは悪化します。

上記は、少し極端な例ではありますが、イメージは掴んでもらえると思います。

上位を狙う戦略を取るには、ユーザーが持つ「ニーズ」を満たせるランディングページが必要です。この受け皿があるからこそ、「掲載順位が上がる」->「成果が向上する」の流れが成立するのです。

キーワード別に「最適化」を図る

入札を調整し、掲載順位を上げたら、次はキーワード別に最適化を図っていきましょう。

上位表示を狙うタイミングでは、複数キーワードの入札を上げることがほとんどです。すると、成果のばらつきがキーワード単位で目立つようになります。

概ね、以下の2パターンでしょうか。

  • 順調にパフォーマンスが向上する。
  • CPAが高騰する。

ここで、注意が必要になります。

掲載順位が上がってCVが増えても、CPAが高騰するキーワードも発生するからです。結果、全体の成果はあまり変わらない、といったことが結構起きるのです。

こうなると、施策をかけた意味はありません。

ですから、全体的に掲載順位を上げた後は、キーワード単位で最適化を図っていきましょう。

ここまで調整をして、初めて最適化が進むのです。

比較検討が短い商材であっても、上記の作業は必要です。単純に上位を狙えばいいわけではないことが、リスティング広告の難しさでもあります。

私は、全体的に上位表示を狙う場合、以下のプロセスを実施します。

  • 全体的に入札を高める。
  • キーワード単位でのパフォーマンスに差が出る。
  • 「パフォーマンスの良いキーワード」は、更に入札を上げて、最適な「掲載順位」を探る。(CV数を増やす)
  • 「成果の伸び率が鈍いキーワード」はそのままにするか、入札を下げて、最適な「掲載順位」を探る。(CPAの悪化を防ぐ)
  • 上記のプロセスを、適度に実施していく。
  • 全体的にバランス良く掲載順位が上がり、CPAが悪化しないまま、CV数が増える。
  • リスティング広告のパフォーマンスが向上する。

うまく掲載順位をコントロールできれば、最適化が進みます。

まとめ

今回は、掲載順位を上げて成果を高めるポイントについて解説しました。

入札を上げるとCPAが高騰しやすいですが、CV率が伸びる場合もあり、このシチュエーションではパフォーマンスが向上します。

とりわけ、検討期間の短い商材では、広告の上位表示を狙って行くと良いです。掲載順位が上がれば、検討意欲の高いユーザー(CV率の高いユーザー)に接触しやすいからです。

ただ、全体的に掲載順位を上げる際には、以下の2点にも気を払いましょう。

  • ランディングページの訴求力を高める。(CV率を担保する)
  • キーワード単位でも最適化を図っていく。(CPAの悪化を防ぎつつ、CV数を増やす)

「掲載順位が上がる」->「成果が向上する」のプロセスを活用できると、色々な場面で応用が可能です。

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