運用代行

手数料の安い代理店にリスティングの運用代行を依頼するのは間違い?

手数料の安い代理店にリスティングの運用代行を依頼するのは間違い?

リスティングの運用代行を依頼するなら何を重視されますか?
やはり手数料の低さでしょうか。大きく削減できれば予算が浮きます。発注側にはメリットでしょう。

実際にGoogleで「リスティング手数料 安い」と検索してみてください。たくさんの代行業者がヒットしますね。そして一番安い企業を選んで発注。

ここに落とし穴があります。予算を削れたので大成功!とはなりません。それも多くの場合で。運用会社もビジネスです。手数料が安いことには相応の理由があるもの。安かろう悪かろうは広告運用にも当てはまるのです。

結論を言うと手数料が低い代理店にパフォーマンスは期待しづらい。今回は外注で失敗しないために運用手数料について解説します。

手数料が安い代行業者が増えた理由

そもそも手数料が安い業者が増えたのはなぜでしょう。
理由はリスティング業界が飽和しているからです。成熟市場かも知れません。なにしろWeb広告の運用代行は固定費なしのフィービジネスなので参入障壁が低い。そのため供給側は増え続けていきます。

一方で需要側に目を向けるとどうでしょう。マーケティングに積極的な企業はもうリスティング広告を実施済み。大口顧客はもう開拓され尽くしたとも言われています。

ところでGoogle広告の機械学習をご存知ですか。
便利な機能ですが開発された理由の一つは市場を切り開くためです。Googleの立場としては広告主を増やしたい。しかし大手は実施済みなので中小企業に目を向けなければなりません。そこで予算が少なくても工数が見合う自動機能が開発されたわけです。
市場が動いており媒体も変わらざるを得ない時代。

話を戻しましょう。まとめるとリスティング市場は供給過多の状態です。そのため新規顧客開拓で優位に立つべく、手数料を下げて受注を狙おう、と言う業者が増えたのです。

手数料を下げて失敗するケース

それでは手数料が低すぎるとどうなるか。一般的な相場は広告費の20%ですね。最近は10%の業者もあり中には5%を切るケースも出てきました。依頼側からすれば美味しい話に聞こえましょう。実際はどうなのでしょうか?

ここで理解しておきたいのがリスティング広告の特性。手を加えるほど成果に繋がるのがWeb広告です。ここは掘り下げていきましょう。

広告費100万円の場合

予算100万円でリスティング広告を始めるとします。手数料は5%。運用側には月5万円の案件ですね。

運用初期の3ヶ月は大切な期間です。キーワード選定、入札調整、予算配分、広告文の立案、機械学習、LPO、除外作業、とやることが多い。
大きな成果を狙うならディスプレイ広告に手を広げたり、媒体レベルでの最適化を図ったり、より運用を深めなければなりません。それから分析作業、レポート作成、日々のコミュニケーション等も発生しますね。

これら全てを5万円でこなせるでしょうか?現実的に考えて無理です。仮に対応してもその業者は赤字でしょう。そのため運用に制限がかかる。

結果は大したパフォーマンスが得られず、外注したけど失敗だった、となるわけです。こうやって初期段階で脱落するケースが後を絶ちません。運用力以前に工数を確保できずに負ける。勿体無いと思いませんか。

高額予算の場合

それでは高額予算ではいかがでしょう。実際に私が目にした場面を紹介します。
月の広告費が5000万で商材はブランドの買取サイト。私の知っている限り金額は最大級でした。

こちらの企業様はマーケティング責任者が外注との窓口を担っていました。問題は次です。運用は手数料3%で発注。そして代行業者を何度も変えていました。理由はどこも満足する結果を出せなかったからの模様。担当の方は「代理店を変えても成果は変わらない。一緒だった」と不満を漏らしておりました。

結論を言いましょう。どの業者も目先に追われ+αの対応が出来なかったのです。商品数が膨大で変更作業も随時起こる。調整に工数をかけている様子でした。語弊を恐れずに言えば、高額案件の旨味がなく、オペーレション的な運用になっていたのが原因でしょうか。

私は運用以前の「握り方」にボトルネックがあると感じました。広告アカウントを拝見しましたが、手間をかければ改善のハードルが低い、と分かったからです。
とにかく安く使い倒そう、買い叩こう、という思考で発注するとそれに見合ったアウトプットが返ってきます。望んでいるものが成果なら大抵満足できません。

どこに重きを置いているかで判断する

では必ず手数料を下げない方が良いのか?と言うとそんなことはありません。
要は広告主様がどこに重きを置いているか、に尽きるのではないでしょうか。

先述した買取サイトで考えてみます。担当者によれば手数料を大きく圧縮できているので第一条件はクリアーしている模様。経費を削減できているので経営陣からの評価に繋がるとのことでした。

なるほど。これはこれで成功だと思います。ビジネスの側面よりも担当者の評価、と言う観点ではベストな選択肢でしょう。手数料の圧縮で得られるメリットが一番ならそうするべき。つまり広告運用の目的はそれぞれなのでそれに合う形で発注しよう、と言うことなのです。

成果重視なら多少のリスクを許容しよう

しかし求めるのがパフォーマンス、とりわけ大きな利益を望むなら手数料を下げるのは推奨しません。

仮に手数料を10%から20%にして2倍の売上が立つなら?もし利益が2倍になればビジネス展開が変わるはずです。こちらの方が遥かにリターンがありませんか。実は運用次第でこのくらいのパフォーマンス向上は難しくありません。それどころか3倍の成果向上も珍しくないのです。

なぜこのようなことが起きるのか。それは広告運用が極めて「属人」的な技術だからです。なので正しい方向で手間をかければリターンを上げられるわけです。以上の理由で、成果を重視するなら、手数料の低い業者へ依頼すると失敗しやすい。低リスクでハイリターンを狙うから失敗するのだと思います。

ではそれなりの手数料を支払ったのに望む結果が得られなかったら?
そのタイミングで業者を変えれば良いのではありませんか。広告で大きな売上を上げたいならこの思考が噛み合うと思います。目先より長期で考える方がトータルでは必ず勝てますよ。

正直しんどいかも知れませんね。しかしWeb広告を試しに始めてみよう、で結果が出るのは終わった時代。広告主にも忍耐が求められていると感じます。

まとめ

今回は「運用代行の手数料」について考察しました。
あくまで一つの考え方なので絶対の正解ではありません。しかし間違ってもいない。業者も増え広告の難易度も上がったからこその考え方でしょうか。

本来の目的に合わせた上で外注できればベストです。
求めるのがパフォーマンスなら手数料の安い代理店は推奨しません。フィービジネスなので安かろう悪かろうに陥ります。その代償は依頼側が被る、と知っておいて損はありません。

目先にとらわれるより目的の遂行にエネルギーを注ぐ方が賢明だと思います。

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