事例

リスティング広告の成功事例~探偵事務所(浮気調査会社)への集客編。

リスティング広告の成功事例~探偵事務所(浮気調査会社)への集客編。

「探偵事務所」や「興信所」のWebマーケットは激戦区の一つです。

「マーケット全体の大きさがとてつもなく大きい」と言うよりは、特殊な市場のため、Web上にマーケット全体が集中しているのです。

なぜ、Web上に競合が集中しているのでしょうか?

これらのサービスを利用する人の心理を考えると、理解が進みます。

・夫が浮気をしている気がする…。
・パートナーの素行が気になっている…。
…etc

こんな悩みがあれば、まずは間違いなくネットで「情報収集」をしますよね。

他人に気軽に相談できるほど優しい問題ではなく、極めてデリケートな問題だからです。

Yahoo!知恵袋や、教えて!goo等のサービスでも、上記のようなデリケートの質問が多く投稿されています。一般的に、悩みが深い内容になるほど、人はまずネットで情報を調べる傾向があります。

当然のことですが、「見込み客」が集まる場所に、企業は広告を出します。自社の集客に繋げたいからです。

そういった背景があり、「探偵事務所」「興信所」のWebマーケットは、競合が多く、広告費が高騰しているのです。

試しに、「探偵事務所」と検索エンジンに入力してみてください。全国規模で展開している、大きい探偵事務所の広告が上位表示化されます。

このような市場で、リスティング広告で勝負をするなら、単に「アカウント内の最適化」のみの施策では、成果が安定しません。

競合も、「入札の調整」「日予算の配分調整」等の調整は、実施しているからです。更に、広告費用を多く投下されたらその影響を受けます。(CVを持っていかれるので)

自社の「ネームバリュー」がよほどある場合を除き、競合と同じことをやっていても、集客のスケールアップには繋がりません。同じ土俵で戦うことになり、パイの奪い合いになるからです。つまり、成果が安定化しません。

このような市場で戦っていくなら、もう一歩先に進んで、次の視点が必要です。

  • ニーズのある違う「切り口」で勝負をする。(CPAを抑える)
  • 有利な状態で、激戦区でも勝負をする。(CV数を確保する)

目先の運用だけではなく、新規施策を打つ出すことで、成果をガラッと変えることができます。

特に、後発組としてスタートするなら、なおさらこの傾向が顕著です。CVがとりやすいマーケットには、既に競合がたくさんいるからです。

今回は、「探偵事務所への集客」に成功した事例をご紹介します。

探偵事務所への集客

「リスティング広告を始めて一年が経ちます。今の代理店にお願いをしても、これ以上成果が出るとは思えないので、別の方でもう一度試させて頂ければと思います。」

探偵事務所の代表の方から、ご相談頂きました。

Webからの「電話問い合わせ」「メール問い合わせ」を増やしたく、色々検討をした結果、リスティング広告を実施してきたとのことです。

しかし、もう少し成果を望むどころか、中々成果が安定しづらいとのこと・・・。
この探偵事務所は、リスティング広告を以下の目標で定めていました。

リスティング広告の目標

  • 広告費用 : 180万円
  • (目標)CV数 : 40件
  • (目標)CPA : 45,000円(問い合わせをCPAとして定義)

そして実際の成果(過去の平均データ)は以下です。

実際の成果(平均)

  • CV数 : 24件
  • CPA : 75,000円。

使用媒体

  • Google広告のみ

実際のCPA(今までの平均)は、目標CPAよりも、高い状態になっていました。そのため、中々広告費を増やせずにいたわけです。

私は探偵事務所の代表の方から、「これまでのデータ」「ビジネスの仕組み」「希望」を全てヒアリングし、データ解析を始めました。

しばらくして、「よくあるパターンだ。」と感じ、問題解決のためのストーリー展開を考え始めました。

既存アカウントの問題点

「アカウント内のデータ」に閉じて最適化を繰り返していた

まず、このアカウントの問題点は、アカウント内のデータのみにとらわれて、最適化を進めていたことにあります。

詳しくご説明しましょう。

このGoogleアカウントの履歴を追うと、次の形跡が見て取れました。

  • CPAが高騰すると、入札を下げる。(クリック単価を下げたいから)
  • CPAがおさまると、入札を上げる。(よりクリック数を稼ぎたいから)
  • デバイス別単位でも、入札を細かく調整。(CPAを確保したいから)
  • 地域別でも、入札を細かく調整。(CPAを確保したいから)
  • …etc

毎日、細かいレベルまで運用が施されていました。今までこのような運用プロセスをずっと続けてきたわけです。

とても丁寧な運用がされていたのですが、実はこの施策は、「その場しのぎ」をずっとしてきたに過ぎません。

競合の動き(マーケットの変動)に合わせて、小手先のテクニックで、広告運用を実施していたからです。

リスティング広告を長く運用すると、コンバージョンの獲得パターンができ、それに頼ってしまうようになる場合があります。(このアカウントは正にそれでした)

Webマーケットは時間の経過とともに変動していきます。一つの成功パターンにしがみついたところで、良くても現状維持に甘んじることになるわけです。

同じCV獲得パターンにこだわり過ぎると、

・次の展開が出来ない。
・時間の経過と共に施策が効いてこなくなる。

こうやって、「その場しのぎで押し切る」ことしかできなくなるのです。

簡単に言えば、このアカウントは以下の状態に陥っていたわけです。

  • 現状維持を意識して運用をした結果、総合的には後退してしまっていた。

リスティング広告の成果を更に安定させるには、「新規施策」で攻めなければいけない時期に直面していました。

出稿するキーワードが偏り過ぎていた

この探偵事務所から依頼を受けているのが、「浮気調査」(一番売上に繋がっているサービス)の問い合わせを確実に増やすことでした。

依頼内容に合わせて、当然このアカウントも、「浮気調査関連」のキーワードをメインにして勝負していました。

しかし、「浮気調査関連」のクリック単価は1000円を超える場合も・・・。

探偵事務所では一番多い依頼内容が、「浮気調査」であり、競合も「浮気調査」のキーワードで勝負をしています。つまり、競合の参入次第で、すぐにクリック単価が高騰することになります。

クリック単価が高騰すれば、当然CPAが跳ね上がります。

つまり、このアカウントは「浮気調査」をメインに攻めていたことで、次のような状態に陥っていました。

  • 競合が強気に入札をしてくると、CPAが上がる。(入札をから)
  • 競合が広告資本を大きく投下してくると、CV数が低下する。(競合にCVを持っていかれるから)

こうやって、成果にバラつきが発生していたわけです。

更に、浮気調査のキーワードを意識していたからか、以下のようなキーワードも選定されていました。

・浮気調査 ライン
・浮気調査 アプリ
・浮気調査 グッズ
・…etc

これらのキーワードは、「探偵事務所への問い合わせ」という観点から見れば、CVしづらいワードです。

おそらく、月間の検索数が多いキーワードのため、広告費用の消化を意識して、選定されていたのでしょう。

しかし、結果的にはCVに繋がりにくく、CPAが悪化する原因となっていました。

ここまでの内容をまとめると、以下と言えます。

  • クライアントの要望を反映させようとしていたが、キーワードに偏りが出てしまっていた。
  • その結果、成果がぶれる要因の一つになってしまった。

この状態でアカウントの最適化を進めても、成果が安定しないことは当然のことでした。

私の分析結果と広告戦略

私のアカウント解析が終わりました。

改善するべきこととしては、広告運用以前に、戦略そのものから変えることにしました。

アカウント内の調整をどれだけしても、結局「その場しのぎの延長上にしかない」と判断したからです。

私が改善案として立案したアプローチは以下。

  • 今までとは違う「切り口」でコンバージョンを獲得する。(CPAを下げる)
  • アカウント全体のCPAを下げたら、既存アカウント(浮気調査)でも強気に配信。(余裕ができるから)

クライアントかも「Goサイン」を頂き、早速改善に着手していくことになりました。

実施した改善策

「従業員の素行調査」での切り口で攻める

私が最初に考えたのは、「浮気調査関連以外」のCVを獲得すること。

この探偵事務所は、浮気調査のサービス以外にも、

・素行調査
・信用調査

といったサービス展開もしていたからです。

これらのサービスは、浮気調査程の問い合わせがないだけで、成約に至れば売上をしっかり見込めるとのこと。

そこで、素行調査の中でも更に対象を絞り、「従業員の素行調査」の市場で、勝負できるか考えてみました。

対象ユーザーを狭めれば狭めるほど、濃い施策をかけられるので、CV率が上がります。CV率が上がれば、CPAが下がります。

私は、Googleで「従業員 素行調査」と検索をかけました。

「従業員 素行調査」での検索結果

上図の通り、他社がリスティング広告を出稿していることが分かります。

他社がリスティング広告を展開していることから、このキーワードでの検索マーケットが成り立っていることを判断できます。

なぜなら、リスティング広告は検索エンジンにお金を支払って、広告を表示するサービスだからです。出稿しているキーワードから、売上を見込めないなら、企業は広告を出稿しません。

私は更に、実際に検索されている「従業員 素行調査」の関連ワードを調べました。

「従業員 素行調査」の関連ワード

上図の通り、「役員に対する素行調査」「入社前の素行調査」等で、検索需要があることが分かります。

これらの内容から、少なからず確実にマーケットはあると言えます。

そこで、これらの内容のコンテンツに特化した、ランディングページを新たに用意しました。

新規施策を打ち出す際のポイントは、新しいランディングページも同時に用意することです。ランディングページの対象ユーザーは、狭めれば狭めるほど、濃い情報を提供することができるからです。つまり、ユーザーのニーズを満たしやすくなるので、CV率が上がります。

ランディングページを用意した後、新たにキャンペーンを作成し、次のような施策を施しました。

「キーワード」と「広告文」を合致させる

「キーワード」と「広告文」の内容を一致させることで、品質スコアが上がります。更に、品質スコアが上がれば、クリック単価が下がりますよね。

更に、「キーワード」と「広告文」の内容をしっかり合致させることで、以下のメリットがあります。

  • ユーザーに、「自分に必要な情報だ!」とすぐに認識してもらえる。
  • その結果、「クリック率」が上がる。

この施策を通して、「クリック単価」を下げつつも、「クリック率」を上げることに成功しました。

「広告文」と「ランディングページの内容」を合致させる

次に行った施策は、「広告文」と「ランディングページの内容」をしっかり合わせることです。

この施策の狙いは以下にあります。

  • 「広告文」をクリックした後に、適切な情報を掲載することで、ユーザーのニーズをしっかり満たす。
  • その結果、CV率の向上を図る。

新しく「従業員 素行調査」関連のランディングページを用意したのは、このためです。

仮に、「従業員 素行調査」と検索したユーザーに、「浮気調査のランディングページ」を見せたらどうなるでしょうか?「自分に必要な情報はないな」と判断され、ページから離脱されます。つまり、CVが起きません。

実際に配信した結果、浮気調査関連のキャンペーンに比べて、高いCV率を実現できました。

新たな切り口で、「キーワード」「広告文」「ランディングページ」の内容に一貫性を持たせることで、CPAを下げることに成功しました。

「新しい切り口」で更に検索マーケットを徹底的に開拓

私は、上記で行ったプロセスを、更に違う検索マーケットにて、横展開しました。

  • 企業の信用調査。
  • 親戚の素行調査。
  • 結婚相手の素行調査。
  • …etc

これらの検索市場でも、ニーズを満たすランディングページを新たに作成し、「キーワード」->「広告文」->「ランディングページ」の流れに一貫性を持たせました。

こう書くと、「そこまで細く絞っても需要があまりないのではないか?」と反論があるかも知れません。

しかし、検索需要が少なくても問題はありません。私のこの施策における狙いは、CPAを徹底的に下げることだからです。

「?」と思うかも知れません。詳しく説明しましょう。

上記に挙げたキーワードは、浮気調査関連の検索数と比べれば、確かに少ないです。

しかし、これらのキーワードには次の特性があります。

  • 競合の数が減るので、クリック単価が下がりやすい。(入札が集中しないから
  • 競合の数が減るので、その分CVを獲得しやすい。(CPAが下がる)
  • ニッチなテーマになるので、CVに繋がりやすい。(CPAが下がる)

つまり、ビジネスの観点から考えれば、収益性の高いキーワードだと言えるのです。

収益性の高いニッチなキーワードは、CV数の数は稼げにくい側面があります。

しかし、CVには繋がりやすく、アカウント全体のCPAを下げてくれる役割を担ってくれるのです。

だからこそ、「収益性の高いニッチなキーワード」をできる限り網羅できれば、アカウントの停滞を一気に打破できる可能性が広がります。

実際に、「企業の信用調査」等でも、成約をすれば売上がしっかり見込めるとのことです。利益をしっかり確保できるならば、広告施策として手間をかける価値は十分にあります。

実際の配信結果は、以下のようになりました。

  • CV数を底上げでき、CPAを下げることができた。

中には成果に結びつかないキーワードもありましたが、トータルで見ると、十分なリターンを得ることができました。

新規施策の成功です。

浮気調査関連のキーワードで強気に攻める

最後に行った改善策は、「浮気調査関連」のキーワードで、強気に配信をしたことです。

その理由は以下。

  • ここまで行った新規施策でCPAを下げることができたから。
  • 新規施策をクライアントに評価頂き、広告予算を追加してもらえたから。

アカウントに余裕ができた分、成果がブレやすかった「浮気調査」のマーケットでも、強く勝負することが可能になったのです。

競合の動きも特に気にせず、広告費を消化する方向で、強気に入札に出ました。

結果は次のようになりました。

  • 「浮気調査関連」のキーワードでは、CV数は増えたが、CPAも高騰した。
  • しかし、「新規施策関連」のキーワードでは、CPAを下げることができた。
  • つまり、全体で見ればCPAに変化はなく、CV数だけ増やせた。

「新規施策」+「既存施策」の組み合わせで、CPAを悪化させることなく、CV数を底上げすることに成功しました。

結果

「新規施策」を中心に攻め、最終的には「既存施策」にも手を加えました。

改善後の、最終的な成果は以下。

  • 広告費用 : 250万円。(70万追加)
  • CV数 : 62件 。
  • CPA : 40,000円。

目標数字を大きく達成することができました。

クライアント様に満足頂けて、私も気持ちが楽になりました。

まとめ

今回は、「探偵事務所への集客」での、成功事例をご紹介しました。

浮気調査等のクリック単価が高い分野では、アカウントの最適化を繰り返すより、新規施策で攻める発想が重要になります。

「その場しのぎの施策」を続ける状態に陥ってしまうからです。

こんな状態になり、アカウントが停滞してしまったら、以下の着眼点を持ちましょう。

  • 今までとは違う「切り口」で勝負をする。(CPAを下げる)
  • 上記に成功したら、既存マーケットでも強く勝負をする。(CV数を稼ぐ)

戦い方を変えれば、まだまだCVは獲得できます。

また、悩みの深い市場では、検索数が少なくても、収益性の高いキーワードを選定することも大事です。

  • 検索数が少なくても、CVしやすいから。(悩みが深い分、成約すれば売上を見込める)
  • CPAが下がるので、アカウントの補完的役割を果たすから。(激戦区のキーワードでも勝負できるようになる)

収益性の高いキーワードで、「キーワード」->「広告文」->「ランディングページ」の内容に一貫性を持たせれば、効果が期待できます。

徹底するには、地道なプロセスを踏まなければなりません。

しかし、ここまでやる運用者は少ないので、実施をすれば、競合より一歩先へ行くことができます。

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