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リスティング成功事例~美容クリニックへの集客(美容医療編)

リスティング成功事例~美容クリニックへの集客(美容医療編)

リスティング広告で熾烈を極めている分野があります。美容医療の業界です。
集客経路も自社HPだけでなく、口コミサイトやアフィリエイトサイトと多岐に渡る。つまり広告戦略次第で来院獲得数が変わります。

もちろん集客に力を入れているクリニックは上記を認識済み。リスティング広告に力を入れます。そして成果が出れば予算を増やす。競合はそれを真似する。こうして激戦区になっていくのです。そろそろ小手先の運用では追いつかないでしょうね。

今後美容医療でWeb広告を成功させるには戦略から考えなければなりません。大きなクリニックと小さなクリニックでは戦い方が違う。それぞれに合ったアカウント構築が求められます。どんな場合でも通用するノウハウなどありません。

もう一つ大事なのは「美容医療のリテラシー」でしょうか。「暗黙知」な部分を運用に落とし込むことで、競合と「差」をつけられるからです。少なくとも施術を一式理解しているくらいでなければ難しいかも知れませんね。

今回は「美容クリニックへの集客事例」を紹介します。

美容クリニックへの集客

「このクライアントは非常に厳しく、多くの運用会社がリプレイスされてきました」

代理店の責任者の方から美容外科の案件をご相談頂きました。
このクリニックはTV広告にも費用をかけ美容業界では有名です。外注先を見る目が厳しく、これまで複数の代理店に依頼してきたとのこと。

しかしどこも希望するパフォーマンスは出せなかった模様。リスティング広告の目標を以下に定めていました。

  • 広告費用 : 1000万円。
  • 目標CV数(来院予約) : 500件。
  • 目標CPA : 2万円。

そして実際の成果(過去の平均データ)が次です。

  • CV数 : 160件。
  • CPA : 6万円。

CPAが高騰し目標達成にはほど遠い状態でした。

私は「代理店の責任者」「クリニックの担当者」と会議をし、これまでの経緯からデータ、運用方針を共有させて頂きました。「気の強そうな方だな」と思いつつも、データが気になり、帰り際にカフェで分析を始めました。しばらくして「なるほど」と直感的に理解。目標達成への筋立てを頭で描き始めました。

既存アカウントの問題点

配信設定に問題があった

最初に気が付いたのは夜になるまでに日予算を使い切っていたこと。
一日の中で、ピークタイムの遅い時間帯に広告が表示されていませんでした。とくに指名ワードのインプレッションまで減っていたのが致命的です。

指名ワードとは

商材名を表すキーワードのこと。今回の場合だとクリニック名が該当します。

クリニックの集客において指名検索は最もパフォーマンスが高く、生命線と言っても過言ではありません。

分析を進めていくうちに日予算が持たない原因が分かりました。
既存アカウントでは部分一致の入札を高めていたのです。美容医療のキーワードでこの設定をすれば、かなりのインプレッションを出せます。
しかしワードが拡張され過ぎて、すぐに広告費を消化してしまうことも否めません。

上記は運用すれば分かること。にも関わらず、このように配信したのは案件に条件があったからでしょう。「毎月1000万の予算を消化しきる」というルールがありました。以前は絞り込み一致でCPAを担保していたようですが消化が追いつきませんでした。

そこで部分一致で入札を高めて広告をばらまく。最後に指名ワードでCVというのが前任者の方針でしょうか。広告費は消化したものの今度はCPAが悪化しました。あちらが立てばこちらが立たず。つまり予算が大きく「CV獲得」と「CPAの担保」を両立できなかったのです。

アカウント構造がシンプル過ぎた

大きなボトルネックがもう一つ。アカウント構造がシンプル過ぎました。状況を整理します。既存アカウントではお悩み別にキャンペーンを作り、体の部位別に広告グループを作成していました。例えば目に関するものなら以下のような形ですね。

つまり「プチ整形」も「目の切開」も「眼瞼下垂」も一つの広告グループにまとめている。これが良くありません。何が問題か分かりますか?この構造ではニーズが異なるキーワードに対して、大雑把に訴求することになります。

するとどうなるか。見込み客のニーズをピンポイントに拾えず、クリック率が下がり、機会損失が発生します。そして品質スコアまで下がる。

品質スコアとは

広告の品質を評価する指標です。クリック単価に影響を及ぼします。

実際に品質スコアの平均は1~3といったところでした。この状態では入札を上げなければなりません。広告が表示されないからです。

そのため無駄にクリック単価が高騰しCPAは圧迫されます。おまけにクリック率が良くない。この悪循環がアカウント全体で起きていました。これが獲得単価が跳ね上がった一番の原因でした。

前述した絞り込み一致の配信ボリュームが足りなかったのは品質スコアが低すぎたからです。

このような広告グループを設計していたのはなぜでしょうか。「機械学習を意識していたのか?」と思ったのですが違いました。
運用とは別のことに気を払っていたのです。それは広告のレポート。この案件ではレポートの提出を多く求められていました。しかも種類まで多い。そのためアカウント構造を複雑にすると、レポート作成が煩雑になり、管理しづらかったのです。

要するにレポートの分かりやすさを意識して広告グループを作成していたのです。これはこれでクライアントに向き合っていたと言えましょう。
しかし本当に求められているのは成果。管理しやすさに重きを置いたアカウントではパフォーマンスは出せません。

実施した改善策

それでは私が実施した改善策を見ていきましょう。
今回意識したことはまずはボトルネックを解決すること。その上でビジネスに沿ったアカウントを再構築する。つまり「成果」を重視しました。

もちろん気をつけた点もあります。それは全ての運用方針を変えなかったこと。実は細かい箇所も含めると荒削りな部分が多くありました。しかし美容医療の案件では「制約」が多く、何かしらの「背景」があって、「所作」を加えている場合も否めません。

全てを変えると違うボトルネックが発生します。問題を「指摘」するのは簡単でも「解決」するのは難しいのです。

それゆえ大胆に変えつつもデリケートにもなる。確実にプラスになると判断した箇所を改善していきました。具体的には以下。

・キャンペーン構造の再編成。
・共有予算の活用。
・広告グループの切り分け。
・広告文の複数作成。
・インスタグラム広告の活用。
・ロジカドで広告配信。

この6つ。それぞれ見ていきましょう。

キャンペーン構造の再編成

まずはキャンペーン構造を再編成しました。
この美容クリニックは全国展開をしています。それゆえ店舗別にキャンペーンを切り分けたのです。下図のようなイメージですね。

なぜこのような構成を取ったのか。それはビジネスに沿った運用を展開するためです。
このクリニックでは表参道の本院が一番の売上を持っています。そのため本院のキャンペーンでは日予算を多くし入札を上げる。

ローカルビジネスの集客は力のある店舗への送客を優先させることが成功の秘訣。他は後から補強していけばいいのです。
また表参院では千葉、神奈川、埼玉、と県外からの来院も多くある。そのため東京に加え、上記の各エリアにも広告を届けました。確実に取れる地域での配信を強めることでパフォーマンスが向上します。

それでは他の店舗はどうするべきか。福岡院で考えてみましょう。全国にあるクリニックのうち福岡院の売上が一番低い。それゆえ日予算を抑え入札も弱めます。

費用対効果が良くないなら配信を弱めましょう。そうやってCPAを担保する。

福岡院の売上が低い理由は、近くに美容整形大国の韓国があるからです。こういったことを運用に反映させることが大事です。

実際のビジネスに即したキャンペーンを構築してください。そして地域別に「最適化」を図る。このプロセスを通すことで、費用対効果を計りやすくなり、本当の意味でアカウントを管理しやすくなりました。

結果はパフォーマンスが向上したことは言うまでもありません。とくに表参道院のキャンペーンではCPA18000円前後をキープ。
また予算配分が適切に進み、夜遅い時間のインプレッションが増加しました。

考え方を変えるだけで広告の効果は変わります。とりわけ高額案件においては。

共有予算の活用

共有予算を活用しました。

共有予算とは

Google広告で複数キャンペーンの予算を一元管理する機能。

使用した目的は常に「指名検索」の広告枠を確保するため。説明しましょう。
まずは「指名ワード」専用のキャンペーンを作成。ここで共有予算の出番です。最初にこのキャンペーンに十分なインプレッションを起こせる日予算を配分。続いて店舗用のキャンペーン全体に残りの日予算を振り分けました。下図をイメージしてください。

要するに指名ワード用の広告予算だけ「分離」できるのです。
メリットは他のキャンペーンの消化配分が多くても、影響を受けずに、指名検索への広告配信が行われます。つまり確実にビジネスチャンスを増やせる。

このクリニックではTV広告を打ったりし不定期に指名検索の流入が増えます。言い換えると、リスティング広告以外からでも、クリニックに興味を持つユーザーがいるわけです。それゆえ指名ワードでは常に広告を表示させるのがベストでしょう。パフォーマンスはCPAで9000円ほど。上々の結果です。

指名検索の配信では全国各地に広告を表示させました。

参照リンク:

指名ワードに関しては下記に内容をまとめています。ご参照ください。

指名ワード(自社ワード)で、リスティング広告の成果を向上させよう。

インプレッションが適切に起きているかは「インプレッションスコア」で確認します。以下で解説していますので併せてご参照ください。

インプレッションシェアを改善してコンバージョン数を増やそう。

広告グループの切り分け

キャンペーンの次は広告グループのテコ入れです。
既存アカウントでは体の部位ごとに切り分けているのでしたね。そうではなく、もう少し細かい「粒度」で設計し直しました。具体的には「施術単位」です。「目」に関するものは「プチ整形」「目頭切開」「眼瞼下垂」といったように切り分けました。

このプロセスの目的は、ユーザーの悩みに対し、適切に訴求を図っていくことに尽きます。例えば目のプチ整形は埋没法がメインですよね。埋没法は目の施術の中でもリスクが少ない。メスを使わずに済むからです。そして切開に比べて値段もリーズナブル。こういったことを瞼にコンプレックスを感じているユーザーへ訴求していきます。

要は大雑把にアピールするのではなく、ピンポイントに攻めました。すると「クリック率」が向上し「質のいいユーザー」がサイトへ送客されます。
さらにキーワードとの関連性も出しやすく「品質スコア」が向上する。そしてクリック単価が下がります。こうやって運用に好循環が生まれるわけです。

このプロセスをそれぞれの施術単位できっちり詰めていきました。結果はCPAの改善に成功。特に圧迫ぎみだった二重関連は25000円を切るようになりました。

このように美容医療の案件では運用力に加え、サービスへの理解がものを言います。最低でも「どの施術」が「どんな人」を対象にしているかぐらいは理解しておきたいところ。この手間をかけられるかでパフォーマンスが変わります。

参照リンク:

品質スコアについては以下の記事で解説しています。ご参照ください。

品質スコアを決める要素から、高めるメリット、確認方法、改善ポイントまで徹底解説

広告文の複数作成

適切な広告文を複数作成していきました。プロセスを解説しましょう。
まず既存アカウントでは部分一致で入札を高め、強引に検索語句を拾っていました。これが良くありません。広告は表示されてもクリック単価が高騰し、CPAが圧迫されるためです。

このボトルネックを解決するために「広告文」を利用したのです。
まず既存のデータから検索されやすい「検索語句」に目を付ける。そして検索語句のニーズを満たすような広告文を作成し、相性のいい広告グループに紐づけていきます。

するとどうなるか。入札を高めなくても広告が表示されるようになるのです。
なぜこのような現象が起きるのでしょう。それはGoogleが検索ニーズを満たす広告文を表示させるからです。

つまり適切な広告文を追加していくことで、クリック単価を下げつつも、インプレッションを増やせるのです。こうして効率よく広告予算を消化させました。

「キーワード」と「LP」の内容とズレを起こさずに訴求していくのがポイント。やや「センス」が求められます。

私はこのプロセスをアカウント全体で実施していきました。結果は「平均クリック単価」を200円台(当初は400円台)に下げられ、CPAを担保しやすくなりました。上出来です。

参照リンク:

広告文を複数作成するメリットについては以下で解説しています。ご参照ください。

【Google広告】広告文を複数作成するメリット。機械学習時代で成果を出すために、広告文をうまく活用しよう。

インスタグラム広告の活用

新規施策を実施しました。インスタグラム広告です。

インスタグラム広告とは

インスタグラムのフィードに届ける広告のこと。

このクリニックのメインターゲット層は「20代の女性」です。そしてインスタグラムは20代女性のアクティブユーザーが非常に多い。ターゲットが集まる場所で広告を打てば、パフォーマンスの向上を目指せます。

またインスタグラム広告はクリック単価が低い傾向にあります。今回リスティング広告を改善していく過程では、CPC200円台がバランスのいい値でした。これよりも下げれば逆に機会損失が起きかねません。

美容医療でリスティングを扱うなら、ある程度のクリック単価は許容しなければならないのです。それではインスタグラム広告なら?何と100円以下におさえられます。この時点で獲得単価を担保しやすいと言えませんか。

設定したターゲティングは「女性」「20代」「美容への興味・関心」の掛け合わせ。そしてクリニックの多い関東圏に配信エリアを絞る。まずは表参道院から配信を開始しました。結果はCPAで20000円前後。悪くありませんね。

その後に他の店舗でもインスタグラム広告を実施。好循環が生まれました。媒体を増やすだけで広告予算は適切に配分されます。高額案件での鉄則でしょう。

ロジカドで広告配信

最後に行ったのがリターゲティングの補強です。

リターゲティングとは

サイトに訪れたユーザーへ再アプローチする配信手法。

既存アカウントを整える。新規施策も実施する。媒体ベースでも配信ボリュームを増やす。このプロセスを踏むと新規に接触するユーザーが圧倒的に多くなります。それゆえ取りこぼしを防ぐために、リターゲティングで適度に追客するのが望ましいわけです。

もちろんこのプロセスは必須の広告戦略。しかし美容医療の場合、Googleでのリターゲティングを実施できません。コンプレックスを想起させる内容ゆえ、過度に接触するのはユーザーにとって不利益、とGoolgeが判断しているためです。

そのため代わりにリタゲ用の媒体を増やす必要があります。それがロジカド。

Logicadとは

DSP広告の一種。

実は美容医療との相性は抜群です。今回はリターゲティングのみで使用し、入札を高めました。クリック単価は300円~400円といったところ。パフォーマンスはCPAで20000円を少し超えるほどですね。成果を悪化させずに来院獲得を増やせました。

改善の結果

改善した結果は以下です。

  • CV数 : 590件。
  • CPA : 17000円。

無事に目標達成。厳しそうなクライアントに認めていただき少しホッとしました。

まとめ

今回は「美容クリニックへの集客事例」を紹介しました。
おさらいです。リプレイスの場合まずはボトルネックを見つける。そして確実に改善できそうなら大きくやり方を変える。背景がわからないなら小さく攻めて様子を見てください。

広告予算が大きいほど施策の一手が与える影響は大きいです。それゆえこの手順を守ることは必須でしょう。そして一番大事なのは商材の理解。美容医療のような特殊な分野では、特徴を運用に落とし込むことで大きな成果を期待できます。

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