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【リスティング広告の成功事例】比較サイトへの集客(PPCアフィリエイト)編

【リスティング広告の成功事例】比較サイトへの集客(PPCアフィリエイト)編

SEOアフィリエイトの市場が縮小しつつあります。

分野によっては中堅アフィリエイターがごっそり撤退したジャンルも。
健康サプリではアフィリエイターにPPCを推奨するASPが増えました。金融分野だと上位サイトの動線は広告経由がメインでしょうか。

つまり今やリスティングなしでは大きな成果を期待しづらいのです。

ではSEOからPPCに切り替えれば全て解決でしょうか?
現実はそう甘くありません。広告費が必要なPPCアフィリエイトは厳しい世界です。
一つの所作を誤るとすぐにCPAが高騰します。何となく始めたものの赤字で終わる場合も否めません。

広告経由で見合ったリターンを得ているのは上位20%でしょうか。いえもっと少ないかも知れませんね。

巷ではPPCで簡単に稼ぐ!的な情報が散在しています。これらは「誤り」と認識してください。

しかし市場が大きいことに変わりありません。
正しい方向で攻めればレバレッジをかけられる。そしてCV数が加速します。要は勝ち組になれば良いのです。それには相応の知見が求められましょう。

今回は「PPCアフィリエイト」の成功事例をご紹介します。

この事例はGoogle広告を対象としています。Yahoo!では2019年6月よりPPCアフィリに規制がかかりました。しかし絶対に出稿できない訳ではありません。やり方次第で可能です。

育毛剤比較サイトへの集客

「とにかくCPAが合わない。クライアントからは特単価をもらっているのに」

育毛剤比較サイトの運営企業様よりご相談頂きました。
このクライアント様は転職、仮想通貨といった激戦区でメディア事業を展開しています。サイトアフィリが得意でSEOに長けていらっしゃいます。しかし健康アップデートによる影響は免れなかった模様。

健康アップデートとは

Googleアルゴリズムの一種。これによりアクセス減となった健康系サイトが多数。

育毛メディアのCVワードが飛んでしまいました。売上は下降気味。しかし現在はこれまでの実績があるため特単価がある状況です。

特別単価とは

成果の多いサイトに報酬を上げる仕組み。

逆風に折れずリスティング広告に挑戦したわけです。このアフィリエイトサイトは目標を以下に定めていました。

  • 広告費 : 180万円。
  • CV数(承認された成約数): 300件。
  • CPA : 6,000円。

そして次が実際の成果です。

  • CV数 : 100件。
  • CPA : 18,000円。

CPAが合わず苦戦されていました。私は会議で今までの流れを把握しその場でデータ分析を開始。思わず「あっ」と息を漏らしました。

「多分、大丈夫です。今よりパフォーマンスを改善できると思います。」

と答え1回目の打ち合わせを終えました。さっそく自宅に帰宅する道中で改善の筋立てを考え始めました。

既存アカウントの問題点

キーワード選定で失敗していた

初めに気が付いたのは「攻め方」に問題があったこと。それはキーワード選定に表れていました。以下のワードを使用していたのです。

・育毛剤 口コミ。
・育毛剤 比較。
・育毛剤 評判。
・育毛剤 効果。
・…etc。

SEOで使われる王道のものばかりですね。ここに落とし穴があります。上記はリスティングとは相性が悪いのです。これは「SEO」と「PPC」の違いを考えると理解が進みましょう。

サイトアフィリエイトなら記事を通してCVへ繋げられます。
体験談やメリットをコンテンツに盛り込みユーザーを納得させればいい。なので購入を迷っているワードでも問題ありません。

しかしリスティングだと事情が異なります。サイトへ集客するのに「広告費」が必要になる。なので購入を決意していないワードだとCPAが圧迫しかねません。要するにキーワード選定の段階で失敗していたのです。

この問題点は次のように表せます。

  • 「SEOの戦略をそのままリスティングにも適用していた」

一つのモデルが上手くいけば横展開するのは常套手段。
しかしそれは同じ土俵であることが前提です。仕組が違うものに当てはめても機能しません。「PPC」は広告費の概念が加わるゆえSEOとは異なる。つまり今までの成功こそがボトルネックの要因でした。

過度にクリックを誘発していた

次に目を引いたのが広告文の表現です。一例を挙げると下記の訴求をしていました。

  • 最安値の価格。

最安値を謳えばそれに納得したユーザーが広告をクリックします。しかし遷移先のページでは価格の高い育毛剤がずらりとある。これでCVするのでしょうか?もちろん成約しません。

広告経由のユーザーは敏感です。目的のもの(激安の育毛剤)がなければサイトから離脱する。広告文で失敗するアカウントは多いです。過度な表現をするゆえ不要なユーザーを送客してしまうのです。クリック率だけ上がり「CV率」は下がるとも言えましょう。この問題点は以下が原因でしょうか。

  • 「広告文とランディングページの内容にズレが生じていた」

リスティング広告の機能にはそれぞれ「役割」があります。その限界を超えてもパフォーマンスには繋がりません。今回だと過度な広告が足を引っ張ったわけです。

実施した改善策

それでは私が実施した改善策を見ていきましょう。
まずビジネスモデルに沿ったアカウントに作り変えました。そしてPPCアフィリエイトの性質を加味しサイトも改善。これらを踏まえ以下を実行しました。

・サイト構成を変える。
・キーワードを選び直す。
・キーワード、広告文、LPを線で結ぶ。
・入札機能の変更。
・リターゲティングの実施。
・1CVの価値を上げる。

順に見ていきましょう。

サイト構成を変える

初めにサイト構成を変更しました。状況を整理します。
この比較サイトは長文形式でコンテンツを展開していました。CVは記事下のランキング箇所で狙う形でしょうか。実はこのスタイルはPPCでは悪手になりかねません。広告で接触するユーザーは長文を読まないからです。

なので構成を修正しました。具体的には「デメリット」「細かい商品概要」といった箇所を削る。反対にメリットを強調していく。要はシンプルにしたのです。

PPCアフィリにおけるサイトの役割をご存知ですか。
それは広告主のLPに対する「繋ぎ役」です。一人でも多くの見込み客を商品サイトに送ること。比較サイト上でユーザーを納得させる必要はありません。そこに主眼を置くとCPAが悪化します。1アクセス毎に費用がかかるため。

ユーザーにどれだけ「アフィリエイトリンク」を踏ませるかが鍵です。
「比較サイトへの訪問数」と「リンクのクリック数」の差を縮めることを意識してください。これがPPCアフィリエイトの本質です。

実際にリンクの「クリック率」が上がると成果も改善されます。
仮にユーザーが商品サイトに訪れて成約しなかったとしましょう。しかし後日に育毛剤が購入されると報酬が発生するのです。

これにはCookieが関係しています。

Cookieとは

Webサイトを訪れたユーザーの端末に情報を保存する仕組み。

この仕組みにより購入時にどのリンクを踏まれたのか判別できるのです。
つまりサイト訪問時はCVしなくても、後で購入に繋がれば、最後に踏まれたリンクの成果になります。

Cookieの有効期間

どのASPも大体60日以内である場合が大半。リンクを踏んで60日以内にCVが起きれば報酬になるという意味です。

であれば比較サイトは繋ぎ役に徹する。そして一人でも多く商品ページへ送るのがベストではありませんか。

総括しましょう。リンクのクリック率を高めるためにサイト構成をシンプルにする。そして必要なユーザーを比較サイトへ呼び込む。これがPPCアフィリエイトの王道プロセスです。

キーワードを選び直す

キーワードを精査しました。
CPAが圧迫しているものは停止。そして新たにCVワードを入稿しました。

先述の通り比較サイトの役割は繋ぎ役でしたね。なのでそこに遷移させるべきユーザーへ広告を届けましょう。それは誰でしょうか?既に買う気がある人ですね。従って意欲が表れているワードを網羅しました。CVからの距離が近いものです。

キーワードは検索数が多いものを選ぶのではありません。そこに焦点を合わせるとCV率が低いものが混在する。SEOマーケターはここで躓きやすいです。

リスティングではLPの内容に沿ったものを選びましょう。そして消化ペースを見ながら幅を広げていく。最終的に「CV数」と「CPA」のバランスを取ってください。これがPPCアフィリエイトの正しいやり方です。

注意事項

マッチタイプは可能な限り絞り込み部分一致、完全一致を利用してください。PPCアフィリでの部分一致は上級者向きです。

参照リンク :

完全一致については下記にまとめました。ご参照ください。

完全一致とは?メリットやデメリットから設定方法、効果的な使い方まで徹底解説。

また絞り込み部分一致に関しては以下で解説しています。併せてご参照ください。

絞り込み部分一致とは?メリットや設定方法、効果的な使い方まで徹底解説。

キーワード、広告文、LPを線で結ぶ

広告文を修正しました。
今までは無理にクリックを誘っていたのでしたね。そうではなく「キーワード」「LP」に合わせ訴求しました。それぞれ解説します。

「キーワード」と「広告文」を合致させる

キーワードと広告文が合致すれば目的のユーザーを集客できます。
M字で悩む人がM字訴求の広告を見つければどうでしょうか?興味があるゆえ「クリック率」が上がることに異論はありません。

ビジネスチャンスが増えるとも言えましょう。

過度な表現を止めれば不要なユーザーを集めずにすみます。

クリック率が改善されると品質スコアも向上します。

品質スコアとは

広告の品質を表す指標。

するとクリック単価が下がります。良質な広告はユーザーのためになるというGoogle広告の仕組みが機能するため。最終的にCPAが改善されます。

育毛ジャンルはCPCが高い傾向にあります。如何に下げられるかが一つの成功要因でしょうか。

「広告文」と「LP」を合致させる

広告文とLPに統一性があれば「CV率」が高まります。
M字が気になる方にM字用の育毛剤を勧めたら?悩みに刺さるので成約率が上がるのは明白でしょう。

それゆえ悩み別にランキングページを切り分けました。やり切ればCPAが担保されます。下図をご覧ください。

獲得単価はCV率の側面からも改善できるのです。

私は以上のプロセスをアカウント全体で実施しました。
結果はパフォーマンスが向上したのは言うまでもありません。リスティングで一番大切なことは次に集約されます。

  • 「キーワード」「広告文」「LP」を線で結ぶ。

これは時代が変わっても廃れない普遍の法則です。

「クリック単価」「CV率」を改善したらキーワードを広げます。運用次第でパフォーマンスが変わる箇所でしょうか。

参照リンク :

品質スコアについては以下で解説しています。ご参照ください。

品質スコアを決める要素から、高めるメリット、確認方法、改善ポイントまで徹底解説

入札戦略の変更

入札戦略を変更しました。
既存アカウントでは「目標コンバージョン単価」が使われていました。

目標コンバージョン単価とは

Google広告の入札機能の一つ。目標CPAを達成するように入札が行われる。

もちろん便利な機能であることに相違ありません。しかし今回は相性が悪い。全体的に入札が高まり掲載順位が上がっていました。実はPPCアフィリでは1位表示を狙う必要はありません。上位表示されるとクリック単価が上がるため。

1位の広告は無駄クリックも多いことをご存じでしょうか。競合がクリックしたり感度の低いユーザーも流入したりします。つまりCPAが悪化しやすいのです。

なので順位をコントロールするため入札戦略を「手動」に変える。検索結果二ページ目以降に表示するよう調整しました。

それでCVが起きるのか?と感じるかも知れません。しかしこれで良いのです。育毛の悩みはデリケート。悩みが深い人ほど順位が下の広告も見てくれるのです。それゆえ入札を下げてもパフォーマンスを期待できます。

このメカニズムは次のように表せましょう。

  • 感度の低いユーザーを除外する。(無駄クリックを防ぐ)
  • 質のいい見込み客に接触する。(CV率を高める)
  • クリック単価も下がる。(CPAを担保する)

いかがでしょうか。競合と同じものを扱うPPCアフィリは商材の「差別化」戦略を採れません。商品特性ではなく、ビジネスモデルを踏まえた運用がものを言うのです。

掲載順位を下げるメリットは他にも。実はアフィリエイトリンクは最後に踏まれたものが成果になる仕組みです。下図をご確認下さい。

この場合「サイトA」には報酬が発生しません。「サイトB」に支払われるのです。これは順位が上のサイトでリンクが踏まれても、その後別のメディアで踏まれると、後者の成果になることを意味します。なので最後の「受け皿」になる位置でユーザーを待つ。PPCアフィリではこの戦略が噛み合うのです。

ではもし上位のサイトでCVされてしまったら?それはもう仕方ありません。割り切ってください。多少の損失には目をつぶって確実に勝つ。そして全体のパフォーマンスを担保してください。これが上位20%に入るための原理原則です。

注意事項

大規模メディアでは取りうる選択肢が変わります。件数をテコにして露出を増やす方が望ましいケースもある。状況に沿って施策を展開してください。

参照リンク :

掲載順位を下げてパフォーマンスを高めるメカニズムは下記にまとめました。ご参照下さい。

掲載順位を下げて、リスティング広告の成果を上げる。

また本来「目標コンバージョン単価」は便利です。以下で解説していますので併せてご参照ください。

【GDN】スマート自動入札 : 「目標コンバージョン単価」の仕組み、メリット、設定方法から「使い方」まで徹底解説。

リターゲティングの実施

リターゲティングを実施しました。

リターゲティング広告とは

サイトに訪れたユーザーへ再訪問を促す広告。

本来PPCアフィリエイトとの相性は良くありません。
広告アフィリの勝利の秘訣はCVワードを網羅することです。追客しないと獲得できないものは捨てるべき。CPAが悪化するからですね。

では今回採用したのはなぜでしょうか。理由は育毛剤を検討するユーザーの心理状態にあります。実は「育毛剤 購入」と検索してもすぐに買わない人が結構いるのです。
育毛系は悩みこそ深いものの緊急を要する分野ではありません。購入までに時間をかける人が一定数いる。つまり一度では刈り取れない場合も否めません。

それゆえ追客して取りこぼしを防ぐのがベストですね。

実際のパフォーマンスは以下となりました。

  • CPAを悪化させずにCV数を底上げできた。

悪くありませんね。成功パターンです。

リターゲティングした期間は一週間以内です。その上で入札を下げました。細部の調整でバランスを取るのが大切です。

参照リンク :

GDNのリマーケティングについては下記にまとめました。ご参照ください。

【GDN】リマーケティング広告とは?仕組みや設定方法、効果的な使い方まで徹底解説。

1CVの価値を上げる

1CVの価値が上がるよう工夫しました。ここは掘り下げましょう。

ランキング形式の変更

第一にランキング形式を変更しました。
今まではコンテンツに一番合致した商品を1位に打ち出していました。「キーワード」->「コンテンツ」->「見合った育毛剤のランキング」という形ですね。ユーザーに対して正しい情報を与えるという意味では適切でしょう。SEOなら。

ところがPPCでは話が別です。
1アクセス毎で広告費が発生します。なので単価の高い育毛剤を売るべきでしょう。少しでも「売上」-「広告費」である「利益」を向上させるため。
今回報酬が低いものは8000円程度でした。反対に一番高い育毛剤は24000円です。後者を売るべきなのは明らかでしょう。

これを踏まえランキング形式を以下のように変更しました。

  • 報酬の高い順にランキング付けする。(利益を増やす)
  • 但しコンテンツの内容と合致していない場合は別。(整合性を保つ)
  • 単価の高い育毛剤が持つ特徴のキーワードに予算を投下。(予算の最適化)

つまり「収益」を追求する形です。可能な範囲で価格が高いものを打ち出す。それを細かく行う。「理想」と「現実」の間でバランスを取る形でしょうか。もちろん徹底している広告主は少数派です。だから正しい方向で努力をしたサイトが勝つのです。

育毛剤の分野は報酬額を20000円以上に上げられる。このライン以下ならまずは引き上げに力点を置きましょう。

クロスセルを狙う

第二にクロスセルを狙いました。
育毛剤を買う人は「育毛シャンプー」「サプリメント」の購買層でもあります。そのためサイト上で同時購買を促したのです。今回は併用すれば相乗効果を期待できる、という切り口で訴求しました。

もちろん全員が同時に買ってくれるわけではありません。しかし実施の結果は一定数が達成しました。

数字で立証されている物同士でクロスセルを展開しました。組み合わせには気を払ってください。

この効果は次のように表せましょう。

  • 同じ獲得単価で得られる利益が向上した。

このメカニズムが長期に渡ってのパフォーマンスに「差」を出します。

あくまで比較サイトの立場は新規の獲得です。
確度の高いユーザーを引き寄せたら収益を取りに行ってください。LTVが向上したところでその利益は広告主のものです。それなら最初の時点で成果を最大化させるべきでしょう。その一つの手段がクロスセルということなのでした。

改善の結果

改善の結果は以下です。

  • CV数 : 360件。
  • CPA : 5,000円。

無事に目標達成です。

現在は諸事情により広告主様がサイトを売却されました。最後は広告パフォーマンスにより売値に「プレミアム」を付けることができました。

まとめ

いかがでしたか。今回は「PPCアフィリエイトでの成功事例」をご紹介しました。
実施した施策はここで紹介したもの以外にも。細かい所作で言えば枚挙にいとまがありません。

PPCアフィリも年々ハードルが高まっています。簡単に成果を出せるほど甘くありません。ただ嵌った時のリターンはでかい。

今後はより正しい方向での努力が求められましょう。噛み合えば大きな成果を期待できます。

参照リンク :

PPCアフィリエイトに関しては「金融編」も解説しています。併せてご参照ください。

リスティング広告の成功事例:金融メディアサイトへの集客編。

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