リスティング広告

品質スコアを決める要素から、高めるメリット、確認方法、改善ポイントまで徹底解説

品質スコアを決める要素から、高めるメリット、確認方法、改善ポイントまで徹底解説

リスティング広告のパフォーマンスを向上させる方法の一つに、「品質スコアの改善」があります。

特に、クリック単価が高騰している場合や、キーワード数が多いアカウントでは、品質スコアが高めることで、大きな恩恵を受けられる場面が多くあります。

先に結論を言うと、品質スコアが改善すれば、次の結果を見込めます。

  • 同じ掲載順位のまま、クリック単価が下がる。(CPAが下がる)
  • 同じクリック単価のまま、掲載順位が上がる。(CV獲得の機会が増える)

どちらも、成果を出す上で大切であることに異論はありません。それ故に、私は高い「高い品質スコアの維持(7が目安)」を重要視しています。

今回は、「品質スコアを決める要素、高めるメリット、改善ポイント」まで、徹底解説します。

品質スコアとは

品質スコアとは、広告の品質を評価する指標のことで、キーワード毎に10段階(1~10の値)で表されます。

なお、Google広告では「品質スコア」、Yahoo!スポンサードサーチでは「品質インデックス」と定義されています。

「品質スコア」と「品質インデックス」は名称が異なるだけで、概念は同じです。そのため、この記事では「品質スコア」に統一して内容を進めていきます。

なぜ、広告に品質をつける必要があるのでしょうか?この理由を知ることは、品質スコアの理解を深めることになるので、少し掘り下げていきましょう。

まず、一般的な広告サービス(TV広告や電車広告)では、お金をより支払ったクライアントの広告を、多く表示させるのが仕組みです。つまり、ほとんどの広告サービスでは、「お金」を基準にして、広告の価値が決まると言えます。

しかし、Google広告(Yahoo広告)はそうではありません。広告主ではなく、検索ユーザーに対する利便性を追求しているからです。つまり、ユーザーにとって、「価値のある広告」をできる限り届けたい、と考えているのです。

そして、「価値のある広告」は、検索エンジンの質を向上させるとも考えられます。従って、質のいい広告は有利に表示させたい(そうでない広告よりも)ので、「品質スコア」の概念が導入されたのです。

この品質スコアは、主に次の要素を加味して決定されます。

  • 推定クリック率
  • 広告の関連性
  • ランディングページの利便性。

どれも、検索ユーザーを主語とした指標だと言えるでしょう。

つまり、品質スコアの仕組みは、ユーザーが求めている「情報(ニーズ)」に対して、広告の関連性がどのくらい「マッチングしているのか?」を数値化したもの、と考えればイメージが進みます。

厳密に言うと、品質スコアの要素はもう少し細かい部分から構成されています。しかし、基本的な部分は、先述した「ユーザーが求めている情報」と「広告の関連性」と考えて問題ありません。

品質スコアが運用に与える影響

実際に、品質スコアが運用にどのような影響を与えるのか、見ていきましょう。

クリック単価を下げることができる

品質スコアが向上すれば、クリック単価を下げることができます。

下図をご覧下さい。

広告ランクという概念が出てきました。広告ランクは、掲載順位が決まる大きな要因であり、この値が高いほど、広告が上位表示されます。

ということは、品質スコアが高まれば、今と同じ掲載順位(広告ランク)のままの状態で、入札を下げることができるのです。つまり、クリック単価が下がります。

ところで、たくさんのキーワードのクリック単価が下がると、運用にダイナミックな影響がもたらされます。下図をご覧下さい。

クリック単価が下がれば、同時にCPAも下がるのです。つまり、品質スコアが上がれば、間接的にCPAが改善されます。

私は、キーワード数が多く、CPAが高騰しているアカウント(割と多いケースです)では、次のプロセスを実施します。

  • 品質スコアの向上を図り、その上で入札を下げる。
  • 同じ掲載順位のまま、クリック単価が下がる。
  • クリック単価が下がるので、同時にCPAも下がる。

費用対効果が合わない場面では、前提としてクリック単価が見合っていないケースが多いです。そんな時の一つの解決策として、品質スコアの改善があります。

掲載順位を高めることができる

先述の通り、品質スコアが改善されれば、掲載順位が上がります。

そして、広告が上位表示されるほど、運用は有利になってきます。以下の好循環が働くからです。

  • 広告がユーザーの目に入りやすくなるので、クリック数が増える。
  • 結果的に、CV獲得の機会が増える。

上記のプロセスを、CVしやすいキーワードで起こせれば、成果が向上することに異論はありません。実は、この「品質スコアの向上」->「掲載順位が上がる」というプロセスの利用は、色々な場面で応用が効くのです。

よくある事例で考えてみましょう。例えば、リスティング広告が盛んに行われている業界では、クリック単価が高騰しています。だから、いざリスティング広告で攻めようとしても、先行企業よりも入札が低くなる場合が多く、あまり広告が表示されないことが結構あるのです。

この問題を解消しようとし、入札を上げる運用者は多いのですが、すると今度は以下の悪循環に陥ります。

  • 入札を上げるので、掲載順位は上がる。
  • しかし、同時にクリック単価も高騰する。
  • 結果的に、CPAが合わなくなる。

上記は、本当によくあるシチュエーションであり、施策が失敗した典型例です。

ところが、入札ではなく、品質スコアに目を向けると、現状を打破できることが意外と多くあります。先ほどの図をもう一度思い出してください。

品質スコアが向上すれば、入札は同じまま、掲載順位(広告ランク)を上げることができます。すると、次の結果を見込めます。

  • クリック単価が変わらないまま、掲載順位だけが上がる。
  • CPAを悪化させずに、CVを獲得できる。

クリック単価が高騰している分野では、品質スコアの改善一つで、広告のパフォーマンスが変わることもあるのです。

上記のプロセスは、広告グループに多くのキーワードを入稿している場合にも効果を発揮しやすいです。と言うのも、キーワード数が多すぎると、品質スコアが低いキーワードが発生し、広告が表示されにくい状態に陥っていることがよくあるからです。

更に、「品質スコアの向上」->「掲載順位が上がる」のプロセスは、もっと攻めの姿勢での応用も可能です。

私は、CVを見込めるワードでは、次のプロセスを実施します。

  • 品質スコアを高める。
  • 掲載順位が高まり、クリック数が増える。
  • CVを達成するので、CPAが下がる。(CV率が高いから)
  • 運用に少し余裕が生まれるので、入札を上げる。
  • 掲載順位が更に高まるので、よりクリック数が増える。
  • CV数が更に底上げされる。
  • 上記のプロセスを、高品質なキーワードで可能な限り実施する。
  • リスティング広告のパフォーマンスが向上する。

私は、このやり方をとても気に入っています。「品質スコアの改善」を起点にして、運用に好循環を起こすことも可能なのです。

品質スコアの確認方法

品質スコアの確認方法を見ていきます。

1.「キーワード」をクリック。

2.「表示項目」を選択し、「表示項目の変更」をクリック。

3.「品質スコア」をチェックして、「適用」をクリック。

これで、「品質スコア」を確認できるようになりました。

品質スコアの改善方法

品質スコアの改善方法を見ていきます。

キーワード、広告文、ランディングページの関連性を高める

可能な限り、「キーワード」、「広告文」、「ランディングページ」の関連性を高めましょう。変数が3つあるので、それぞれ分解して考えていきます。

「キーワード」と「広告文」に関連性を持たせる

まずは、「キーワード」と「広告文」に関連性を持たましょう。

一番てっとり早く、かつ即効性があるのは、広告文にキーワードを含めることです。Google広告の仕組み上、この施策を施すだけで、「キーワード」と「広告文」の関連性が評価されやすいのです。

なぜならば、キーワードが含まれている広告文は、ユーザーの検索(問い)に対する「答え」とみなすことができ、これを満たす広告文は、「価値の高い広告」だと判定しやすいからです。その結果、品質スコアが向上します。

非常にシンプルかつ大事な施策なので、品質スコアを改善する上では、必ず抑えておきたい部分と言えるでしょう。

なお、キーワードを広告文に含める重要性、その際の留意点については以下の記事でまとめています。ご参照ください。

広告文にキーワードを含める。更に、機械学習を考えた上で広告グループを分けよう。

「キーワード」と「ランディングページ」に関連性を持たせる

キーワードと広告文に関連性を持たせたら、更に「ランディングページ」にも関連性を持たせましょう。イメージとしては、下図のような形になります。

キーワード(ニーズ)に対して広告文(答え)があり、更にその「受け皿」として適切なページを線で結ぶことで、品質スコアが向上しやすい、というわけです。

ここで注意したいのが、ランディングページに「キーワードをたくさん盛り込もう」という訳ではありません。そのようなことをしても、品質スコアは向上しません。

ランディングページの関連性、すなわちユーザーにとっての利便性を上げるための要素はGoogleからも公表されており、以下に集約されます。

  • 関連性が高く、独創的なコンテンツの提供。(オリジナルティを高める)
  • 特定の商材を探しているユーザーには、より具体的なコンテンツを見せる。
  • ビジネスの透明性を確保し、サイトの信頼性を高める。
  • スマートフォンや、PCで簡単に操作をできるようにする。(ユーザービリティの向上)
  • 広告をクリックした後の、遷移先ページの読み込み時間を短縮する。(ページ速度の最適化)

全て完璧にこなす必要はないのですが、これらを頭に入れて、ユーザーの満足度を追求していけば、必然的に品質スコアは向上します。

上記の中でも、関連性の高い「コンテンツ」を提供することは、最優先事項と考えましょう。

クリック率を高める

品質スコアの評価ポイントでは、広告掲載後におけるクリックの実績も大きな要因を占めます。

つまり、クリック率が高まるほど品質スコアは改善されやすい、というわけです。ここでは、広告文を改善してクリック率を高める方法をご紹介します。

クリック率を高めるには、入札を上げる方法もあります。しかし、入札をあげれば、クリック単価が高騰するので、費用対効果が悪化します。品質スコアを改善することは大事ですが、あくまでそれは手段であり、目的ではありません。本当のゴールは、リスティング広告で成果を出すことです。それ故に、品質スコアの改善が理由で、入札を高める必要性はないと言えるでしょう。

魅力的な広告文を作成できれば、クリック率は向上します。

前提としてリスティング広告は、一つのキーワードが検索されたら、たくさんの広告が表示されるのが仕組みです。必ずしも、自社の広告を選んでもらえる保証はありません。つまり、検索ユーザーにとって、競合の広告が魅力的に見えれば、他社にクリックを持っていかれるのです。

ですから、いかに「自社の広告に振り向いてもらうか?」が大事なポイントになります。そこで、検索キーワードに対して、「セールスポイント(自社の強み)」を広告文に打ち出しましょう。ユーザーがメリットを感じてくれれば、それだけで「クリック率」が向上しやすいからです。

美容クリニックへの集客で考えていきます。このクリニックが、「二重施術」のサービス(セールスポイント)に優れているなら、下図のような訴求が可能です。

二重施術を検討しているユーザーに、「この広告が気になる」と感じてもらえれば、それだけクリック率が向上しやすいことに異論はありません。

また、広告文を立案する際には、セールスポイントの他に、「背中を押す一言」を付け加えてあげましょう。ユーザーに、「今すぐ商品を購入した方が良さそうだ」と思ってもらえれば、更にクリック率が高まるからです。

例えば、英会話スクールの集客で見ていきます。このスクールが、入会金を無料にできるキャンペーンを実施していれば、広告文に反映させることで、訴求力がより強化されます。

検索ユーザーが、「今動けばお得だ!」と感じてくれれば、クリック率はより向上します。

ここまでの内容をまとめましょう。

  • 検索キーワードに対して、セールスポイントを打ち出した広告文を訴求すれば、ユーザーにメリットを提示でき、クリック率が上がる。
  • その上で、「背中を押す一言」を付け加えれば、ユーザーの行動へのモチベーションが上がり、更にクリック率が高まりやすい。
  • 結果的に、クリック数を稼げるようになり、品質スコアも向上する。

なお、上記に関する広告文の訴求方法については、以下の記事でより詳細にまとめています。ご参照ください。

成果が出る広告文とは?「キーワード」と「セールスポイント」をうまく結びつけよう。

まとめ

品質スコアは、ユーザーが求めている「情報(ニーズ)」に対して、広告の関連性がどのくらい「マッチングしているのか?」を数値化したもの、と言えます。

実際に、品質スコアが高まることで次のメリットが得られます。

  • 同じ掲載順位のまま、クリック単価が下がる。(CPAが下がる)
  • 同じクリック単価のまま、掲載順位が上がる。(CV獲得の機会が増える)

運用を進める上で、好循環が働くことに異論はありません。

なお、品質スコアの改善方法は複数ありますが、代表的なものは以下に集約されます。

  • キーワード、広告文、ランディングページの関連性を高める。
  • クリック率を高める。

とりわけ、「クリック単価が高い分野」、「キーワード数が多いアカウント」では、品質スコアを改善することでボトルネックが解決され、運用が好転することもあります。

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