リターゲティング広告のメリットは何でしょうか?
一言で表せば高パフォーマンスを望める点に尽きるでしょう。
CV率が良くCPAも下げられる。追客機能を持ち合わせているからこそ望める結果です。ディスプレイ広告の中でも重宝する手法の一つですね。
しかしメリットばかりだけではありません。認知施策としては使えないゆえ、リターゲティングに頼ってばかりだと新規顧客開拓が進まないからです。
また他のディスプレイ広告とは機能が異なるため、使い方にも創意工夫が求められる。つまりうまく扱えなければ、逆に成果が悪化することもあるわけです。
だからこそ特性を理解しつつ、メリットが最大化されるよう、うまく利用するべきでしょう。結論としては次のプロセスを常に意識してください。
- 認知施策を実施する。(リストを溜める)
- リターゲティングで刈り取る。(CV数の底上げ)
- 上記のプロセスを起こし続ける。
「認知」->「刈りとり」の流れが途切れなく構築できれば、確かなリターンとして跳ね返ってきます。
今回は「リターゲティング広告のメリットとデメリット」について解説します。
CONTENTS
リターゲティング広告のメリット
見込客へ再アプローチができる
最大のメリットは、1度サイトに訪れた見込み客に再アプローチできることでしょう。
初めに認識しておくべき事実は、Webサイトを訪れたユーザーのうち9割が、CVしないまま離脱する傾向にある点です。
なぜこのような結果に終わるのか。それは広告をクリックしたユーザーは、サイトの内容を見て次のように考えるからです。
- 商材を買うべきか少し考えたい。
- 他社製品と比較検討をしたい。
- 広告を見て興味を持ったけど、今すぐ欲しいわけではない。
- …etc
比較検討に時間をかけるのは当然であり、一回でCVに繋げる難しさが分かりますね。
しかし時間が経つと「一定数のユーザー」は、購入意欲を高めてくれるもの。このタイミングで接触すれば、CVを期待できると言えませんか。つまりリターゲティングの出番です。
適切な場面で追客すれば、CVの取りこぼしを防げます。
コンバージョン率が高い
コンバージョン率を高く保つことが可能。
通常のディスプレイ広告が持つ機能は「認知」ですよね。
潜在層へ広告を見せるので、商材を認識してもらって終わるケースがほとんどでしょう。前述の通り、一回のアプローチではCVが起きにくいのです。
しかしリターゲティングなら違います。
購入意欲が高まったユーザーへ接触できるため、CVしやすいからですね。
成果を望めやすいなら、入札を上げたり予算を増やしたり強気な運用が可能。リマーケティングは「刈り」に特化した施策と言えます。
CPAを下げやすく新規施策にチャレンジしやすい
CPAを下げやすいです。
先述の通りリターゲティングは、CV率が高い傾向にあるのでした。
この性質が運用に好循環をもたらします。下図をご覧ください。
コンバージョン率が高まると、同時にCPAが下がることが分かりますね。
すると運用に余裕が出るので、新規施策(違う認知施策)にチャレンジできます。
リターゲティングの醍醐味は「認知施策」との相乗効果を出し、CV数を最大限に増やすことに尽きます。
- 認知施策で潜在層にアプローチ。(ややCPAが上がる)
- リターゲティングでCVを刈り取る。(CPAを下げる)
- CPAが下がった分、新規施策(認知施策)にチャレンジ。(ややCPAが上がる)
- 再度リターゲティングでCV獲得。(CPAを下げる)
- 上記のプロセスを繰り返す。
- パフォーマンスが向上する。
是非この基準を目指してください。
検討期間の長い商材と相性がいい
「検討期間の長い商材」と相性が良いです。
例えば以下のような分野における商材が当てはまりますね。
- B to Bの商材(意思決定に時間がかかる)
- 高額な商材(購入を決めるまで時間がかかる)
- 悩みが深い分野の商材(内容がデリケートなので、比較検討を深くする)
これらに共通している特徴は何でしょう?それはすぐに購入(CV)が決まらないことです。なぜなら見込み客は、比較検討に時間をかける傾向があるからです。
そのため一回Web広告で接触したくらいで、CVが起きるほど甘くありません。つまり見込み客とのコミュニケーションを怠っていると、競合にCVを持っていかれるわけです。この状況を防ぐ手段こそがリターゲティング。適度に接触し続けることで、ユーザーとの繋がりを保てるからです。
訴求をし続け、ニーズが喚起されたタイミングで、自社商材を選んでくれるよう働きかけましょう。
検討期間が長い商材では、リターゲティングの活用は必須ですね。
リターゲティング広告のデメリット
非常に強力なリターゲティングですがいいことばかりではありません。ここからはデメリットを見ていきましょう。
新規顧客開拓には向いていない
第一に新規顧客開拓には向いていません。
あくまで本来刈り取れたであろうユーザーを、追客するための機能だからです。つまり配信ボリュームは多くありません。
リターゲティング一辺倒になってしまうと、CPAは安定しやすい反面、CV数の伸び悩みに直面するでしょう。
以下はよくあるリターゲティングでの失敗事例。
- 既存施策でアプローチをする。(リタゲリストを溜める)
- リターゲティングでCVを獲得。(CPAが下がる)
- しかしここから成果が伸び悩み始める。(リタゲリストの数に限界があるから)
- やがて成果が悪化し始める。(既存施策のユーザーを追客するだけではマンネリ化するから)
成果の伸び悩みを防ぐには、常に「認知施策」を打ち続けなければなりません。
参照リンク :
なおリターゲティング以外のディスプレイ広告をうまく扱えば、認知施策は十分補えるでしょう。
例えばGDNには様々なターゲティング機能があり、そのほとんどで多くの配信ボリュームを見込めます。つまりリターゲティングのメリットが最大化されるよう、他の機能で補えば良いのです。
GDNのターゲティング一覧については以下の記事をご参照ください。
扱いが難しい
メリットの項でリターゲティングはCV率が高く、CPAを担保しやすいと解説しました。しかし注意点もありそれは適切に扱えていることが前提です。
一体どういうことでしょうか?実はリターゲティングは奥が深く、扱いづらい側面もあるのです。
第一に「リターゲティングリストの精度」を上げなければなりません。
リターゲティングリストとは
Webサイトに訪れたユーザーのリストを指します。
仮にリスト内に不要なユーザーが含まれていれば、リターゲティングで追ってしまうことになり、更に成果が悪化する。この負のスパイラルこそがデメリットとして働いてしまう所以です。
加えてパフォーマンスを高めようとすると、工夫が求められます。それは他のディスプレイ広告と用途が違うために、異なる発想での運用プロセスを求められるからですね。
リターゲティングをやれば簡単に成果が出る。というほどイージーではないことを理解してください。
参照リンク :
逆に考えるとリストの精度が良ければ、リターゲティングの効果は高まります。CPAを担保できるようになり、好循環を起こせるでしょう。
「どのようにリターゲティングリストを構築するべきか?」については、以下の記事で解説しています。ご参照ください。
リターゲティングを活用するなら一工夫を加えると、パフォーマンスが向上します。広告の訴求内容を変えたり、バナーの種類を増やしたり。
これらに関しては以下の記事でまとめています。ご参照ください。
緊急性の強い商材とは相性が悪い
「緊急性の強い商材」とは相性が悪いです。
例えば水道工事の業者で考えてみましょう。以下はユーザーが問い合わせをするシチュエーションです。
- トイレで水が詰まり困っている・・・。
- 排水口から水が漏れて困っている・・・。
- 水道から水が流れない・・・。
どれもすぐに解決したい問題ばかりではありませんか。
こんな状況に遭遇したらサイトの内容を見て、他社と比較をして徹底的に吟味・・・とはなりませんね。業者のサイトを見つけ次第、すぐに問い合わせるはず。
そのためリターケティングする必要性があまりないのです。CVに繋がらないなら、無駄な広告費だけが発生しますね。
つまりCPAが高騰するだけで、アカウント内の足を引っ張りかねません。
リターゲティングには不向きな分野もある。注意点として理解しておきましょう。
参照リンク :
緊急性の強い商材はリスティング広告と相性が良いです。とりわけ入札を高めて、掲載順位を上げていく戦略が噛み合います。
なぜか?それは問題を解消したいと考えているユーザーに接触しやすいからです。このプロセスに関しては以下の記事で解説しています。ご参照ください。
まとめ
今回は「リターゲティング広告のメリットとデメリット」について解説しました。
リターゲティングは「追客機能」があるので、CV率が高かったり、CPAが下がったりと高パフォーマンスを見込めます。
しかし適切に使いこなさなければ満足できる結果を得られません。「リストの精度」や「他の要因」によって、配信結果がブレてしまうからですね。
最後に理想的な活用方法をもう一度。
- 既存施策でユーザーへアプローチ。(リストを溜める)
- リターゲティングでCVを獲得。(CPAを下げる)
- 新規施策でユーザーに接触。(リストを溜める)
- 再度リターゲティングでCVを刈る。(CPAを下げる)
- 上記のプロセスを繰り返す。
リターゲティングを軸に好循環を起こすことを意識してください。