リスティング運用を委託するならいくらの手数料を支払うべきか。
広告主様の立場では気になる部分ですね。
もちろん手数料が低いに越したことはありません。しかし安い業者に依頼するなら注意も必要です。運用の工数が確保されずパフォーマンスが担保されません。
成果に繋がらないなら外注する意味はないですね。
どんなサービスにも相場がある。そこからかけ離れると何かしら問題が起きます。
高すぎると無駄な費用が出ていく。安すぎれば品質が下がりますね。それゆえ適切な費用感は理解しておきたいところ。
今回は「運用手数料の相場」について解説します。
CONTENTS
リスティング運用代行の手数料の相場
運用手数料の一般相場は広告費の20%です。そもそもこの料率は適正なのでしょうか?検証するためまずは運用業務を整理します。
- 入札調整。
- キーワードの追加と除外。
- 除外設定。
- 運用の分析と改善。
- 広告文の立案。
- レポート作成。
- クライアントとの打ち合わせ。
- …etc
大体こんな所でしょうか。運用や分析は深く追求するほどパフォーマンスが向上する。レポート作成はオペレーションであるものの時間がかかります。
しかしこれらはあくまで最低限の内容。パフォーマンスを望むなら更にテコ入れが必要です。例えばディスプレイ広告を始めたり媒体を増やしたり。LPOも大事ですね。要はWeb広告で成果を出すには時間をかけなければなりません。
こう考えると運用手数料の20%は妥当と言えませんか。しかし最近は10%くらいの業者も増え「10%~20%」が相場でしょうか。
手数料を下げすぎるのはNG
なぜ手数料の相場が下がっているのか。それは業者が増え続けているからです。
供給側が過剰になると案件獲得に競争が起きますね。なので手数料を下げて営業する業者が多くなる。要は安売りをしているわけです。
依頼側からすればラッキーですが落とし穴があります。
前述したように手間をかけるほどパフォーマンスが向上する。これがリスティング広告のメリットです。逆に難点は運用のハードルが上がっていることでしょうか。競合の広告主も増えているためです。なので丁寧な運用はもう当たり前と言えましょう。
そんな中で手数料が低すぎればどうなりますか?ご想像の通り運用の工数が確保されません。結果は満足するパフォーマンスが得られないのは明白でしょう。
つまり手数料が安すぎる業者に発注するとパフォーマンスが悪化しやすいのです。
参照リンク :
手数料の安い代理店へ依頼するリスクは下記にまとめました。ご参照下さい。
リスティング広告のメリットとデメリットは以下で解説しています。併せてご参照下さい。
運用額から支払う手数料を逆算する
ではどんな場合でも20%の手数料を支払うべきでしょうか?
例えば広告費が2000万円なら400万円もの手数料が発生します。それも毎月のペースで。ところで利益は売上-費用で決まります。パフォーマンスが高まり売上が伸びるのはもちろん良いこと。しかし費用が高すぎれば利益が圧迫されかねません。
なので必ず20%を支払うことが正解とは限らないのです。
成果を維持して費用を減らせるならそうするべきでしょう。結論を言うと手数料は広告費で考えると適正値が見えてきます。
低額予算では20%を支払う
月の運用額が300万以下なら20%を支払いましょう。
このレンジでは手数料を渋るとそれがパフォーマンスに響きます。
とくにまずは様子見で30万スタート。だから可能な限り手数料を下げよう、と言う発想は最も避けるべき。アカウントの初期構築だけで運用は放ったらかしにされかねません。つまりリスティングを始めたけど成果が出なかった、と言うパターンに陥るわけです。
であれば適正な手数料でパフォーマンスを担保してもらう方が確実に良い。
広告費が100万円で考えてみましょう。この場合広告アカウントを伸ばすには工夫が必要になる。入札を下げたりCV率を高めたり局所的な運用が求められます。
なぜか。それは予算が多い競合に真っ向では勝てないからです。なので低予算だから浅く運用する、という大方のイメージは誤り。制限があるからこそテクニックで押し切る必要があるのです。
そのために工数は確実に確保しなければいけません。その手数料を惜しむ代償は大きい。まとめましょう。広告費が300万以下なら、費用を削るより、売上を上げることに注力してください。利益として返ってきます。
高額予算なら手数料を圧縮させる
それでは高額予算なら?同じパフォーマンスで手数料を圧縮できれば利益が大きくなる。売上-費用の「費用」に主眼を当てていますね。
月額予算1000万で考えてみます。手数料が20%なら200万。一方で10%にまで削れば100万です。つまり手数料を10%削るだけで「100万」の利益が創出されます。それも毎月において。
しかし費用を削っても工数は確保されるのでしょうか?実は問題ないケースが多いのです。代行業者からしても100万円の売上が立つからです。つまり高額予算では必ず20%を支払う必要はありません。費用を削って成果を担保できるならそうするべき。
ただいくつか注意点もあります。第一に手数料を下げすぎるのは良くありません。
先述の例で言うと仮に3%にまで引き下げたなら?この場合業者の取り分は30万円。
1000万円の広告費を30万で丁寧に回す、となると割に合いません。ビジネスライクで見れば。なので運用がおろそかになり逆にパフォーマンスが悪化しかねません。やはり手数料が安すぎる業者に依頼するのは良くないのです。
第二に費用を圧縮させるなら大きな業者は避けた方がいい点。なぜなら大手は値下げをしないからです。融通できるのは小回りが利く中小企業。
また高額案件の特徴は何でしょうか。それは「細部の調整」でパフォーマンスを改善できること。小さな業者はこういった技術に長けています。ネームバリューがなく運用力で勝負しているためです。このような事実を認識すれば、外注選定の精度が上がりますよ。
おさらいです。手数料を圧縮させるなら下げすぎには注意しましょう。その上でパフォーマンスを担保できる企業に依頼してください。
参照リンク :
大手に外注するデメリット、小さな業者に依頼するメリットは以下で解説しています。併せてご参照ください。
まとめ
今回は「運用手数料の相場と外注の選定」について解説しました。
高額予算でない限り20%で発注することを推奨します。
利益は売上-費用で決まります。低額予算で費用を削るメリットはない。工数が割けずパフォーマンスが悪化しかねません。なので売上を立てる事にエネルギーを注いだ方が賢明でしょう。
反対に高額予算では費用を下げることを推奨します。手数料の圧縮とパフォーマンス担保の両立を図れば勝ったも同然。
リスティング市場の特性を知っていれば外注する際に有利です。そして自社に合う業者を選べば運用は好転します。