リスティング広告

掲載順位を下げて、リスティング広告の成果を上げる。

掲載順位を下げて、リスティング広告の成果を上げる。

「掲載順位を下げた方が、リスティング広告のパフォーマンスが良い。」

このように言われると少し不自然に聞こえるでしょうか。

一般的には、掲載順位を下げればクリック数が減るので、獲得CV数が鈍ることになります。つまり、直感的に「パフォーマンスが悪化する」と感じやすいため、「掲載順位を下げよう」という考えにはあまり至りません。

その証拠に、実際の運用過程では「掲載順位を上げて欲しい」という要望を頂くことがあります。広告主からすれば、自社の広告が目につきづらいと「機会損失が起きてるのではないか?」と不安を覚えるからです。

それならば、リスティング広告の運用は常に上位表示を狙うべきでしょうか?

答えはNoです。なぜなら、掲載順位を下げた方がパフォーマンスは向上する場面があるからです。このようなパターンを理解しておくと色々なシチュエーションで応用が効くので、知っておいて損はありません。

今回は「掲載順位を下げて効果を出すポイント」について徹底解説します。

掲載順位を下げて成果が高まるメカニズム

掲載順位を下げて成果が改善されるのは、どんなシチュエーションでしょうか。

このメカニズムを理解するために、まずは「掲載順位とパフォーマンスの因果関係」について整理しましょう。

まず、広告が上位に表示されれば検索ユーザーに接触しやすくなるため、CV獲得の機会を増やせます。とりわけ、表示結果で3位以内に入れば多くのクリック数を稼げると思っていいでしょう。つまり、CPAが悪化しない範囲においては上位表示を狙い、CV数を取りにいくのが常套手段。

しかし、このやり方が適切とは言えないシーンがあります。順を追って説明していきましょう。まず、リスティング広告では掲載順位を上げることで「検討意欲の高いユーザー」に接触できるのが特徴です。

しかし、詳細は後述しますが、逆に掲載順位を下げても、「CVしやすいユーザー」へ接触できる場合があるのです。言い換えると、広告を下位に表示させてもCV率が変わらないケースがあるとも言えるでしょう。

さて、仮に掲載順位が1位でも10位でも、どちらにおいてもCVを確保(CV率が変わらない)できるならどちらの順位が良いのでしょうか?

正解は後者です。まず、1位を狙いに行くなら入札を大きく高めることになります。その結果、クリック単価が高騰します。

下図をご覧ください。

クリック単価が上がると、CPAが悪化します。

とりわけ、リスティング広告が盛んな業界ではこの傾向が顕著です。

しかし、掲載順位が10位でもCVが起きるなら、1位の場合よりも入札を弱めることが可能。すると、その分だけクリック単価を下げられます。

先ほどの図をもう一度確認下さい。

CV率が変わらないままクリック単価が下がることで、CPAが改善されます。

つまり、掲載順位を下げてもCVを確保できるなら以下のプロセスが成り立ちます。

  • 掲載順位を下げるのでクリック単価が下がる。(入札を弱めたから)
  • 掲載順位を下げてもCV率は変わらない。(CVを獲得できるから)
  • 結果的にCPAが改善され、パフォーマンスが向上する。

このメカニズムが「掲載順位が下がる」->「成果が改善する」の正体です。

掲載順位を下げた方がいい場合

では、掲載順位を下げても、CVを確保しやすいのはどんな場合でしょうか?

ここでは、商材の「比較検討の長さ」に視点を当てていきます。

一般的に、見込み客は「納得のいく買い物をしたい」と考える気持ちが強いほど、比較検討に時間をかけます。商材選びに失敗したくないからですね。

上記は、私達の検索活動を振り返ることでも理解できるでしょう。情報収集への真剣度が高いほど、検索結果の1ページ目、2ページ目…、とより多くの情報を調べるからです。

この状況をリスティング広告に当てはめてみます。

慎重に商材を決めたいユーザーは、広告を見つけてクリックをし、内容を満たせるサイト(悩みが解決される商品)だと判断しても、すぐにはCVしません。他のサイトも見て、比較検討をした上で購入(CV)を決めるためです。

言い換えれば、購入に対して真剣なユーザーほど上位の広告に加え、下位に表示されている広告もクリックしてくれやすいと言えませんか。

つまり、このシチュエーションでは「掲載順位が低い」->「CV率が変わらない」の図式が成立します。掲載順位が上がろうが下がろうがクリック数を稼げるからです。

この観点から考えると、以下に該当する商材では、掲載順位を下げる戦略が噛み合いますよ。

・悩みが深い分野の商材(比較検討に時間をかけやすい)
・高額な商材(すぐには即決できない)
・B to Bの商材(比較検討に時間がかかる)

ここでは、「悩みが深い分野の商材」を事例として見ていきましょう。

悩みが深い分野の商材

悩みが深い分野では、全体的に掲載順位を下げることでパフォーマンスが向上しやすいです。

例えば、美容整形の場合で考えてみましょう。美容クリニックへ足を運ぶユーザーの心理には以下のようなものが挙げられます。

  • 目を二重にしたい・・・。
  • 綺麗になりたい・・・。
  • 体のコンプレックスを解消したい・・・。

どれも悩みがとても深く、人に言いづらい問題ではありませんか?

そのため、美容手術を検討している見込み客は、ネットでの情報収集に力を入れる傾向があります。

結果的に、悩みが「二重手術 おすすめ」や「美容整形 口コミ」等のキーワードへと変換され、検索をかけることに異論はありません。

さて、これらのキーワードで検索活動を行うユーザーの心理を一般化してみましょう。

上図のように、じっくり比較検討をしてクリニックを選ぶケースが多いのです。

なぜなら、美容整形の手術ともなると大きな出来事であり、手術に失敗したくない気持ちが強いからです。結果、色々な情報を調べじっくり検討することは想像できるでしょう。

もちろん、このパターンが全ての検索ユーザーに当てはまるわけではありません。しかし、一定期間後にCVまでの流れを分析すると、上記の傾向が多く見て取れます。

つまり、美容クリニックへの集客では、入札を弱めて掲載順位を下げても、見込み客にしっかりアプローチできる場合が多いのです。

そのため、「掲載順位が下がる」->「CV率が変わらない」のメカニズムが働き、以下の結果を見込むことが可能。

  • クリック単価が下がるのでCPAが改善される。(入札を下げたから)
  • CV率が変わらないのでCPAを担保できる。(検討ユーザーに接触できるから)
  • 結果的にCPAが改善され、パフォーマンスが向上する。

このように、「検討期間の長い商材」では全体的に掲載順位を下げることで、パフォーマンスを改善しやすい傾向があります。

掲載順位を下げて成果を上げるために

掲載順位を下げる戦略を取る際に、心がけたいポイントを見ていきましょう。

自社の強みを広告文で訴求する

前提として、自社の強みを広告文でしっかりと打ち出すことは必須です。

先ほど同様、美容クリニックの集客で考えていきます。仮に、「二重手術」を検討しているユーザーが、次のような広告を見つけたらどのように思うでしょうか?

悩みが深い見込み客ほど、「自分に関係ある内容だ」と判断するため、広告をクリックする傾向にあります。つまりこの場合では、掲載順位が下がっていてもクリック率を担保できるので、結果的にクリック数を稼げます。

しかし反対に、以下のような広告が表示されていたらどうでしょうか?

仮に掲載順位が上位であれば、クリック率は下がるもののクリック数は稼げます。アプローチできるユーザーの絶対数が多いからです。

しかし、掲載順位を下げているならクリック数が大きく減ることは否めません。なぜなら、じっくり情報収集をしているユーザーほど、自分に直接関係している広告をクリックし、そうではない広告は見向きもしないからです。結果、CV獲得の機会が少なくなります。

ですから、下位に広告を表示させるならピンポイントに広告文を訴求し、クリック率を高めることを意識してください。

私は、全体的に掲載順位を下げる場面では次のプロセスを実施します。

  • 全体的に入札を弱めて掲載順位を下げる。
  • 同時に、キーワードに対してピンポイントで訴求する広告文を多く用意する。
  • 掲載順位が下がってもクリック率を担保できるので、必要なクリック数を稼げる。
  • サイトの内容に問題がなければCVが達成される。
  • 結果的にCPAを担保できる。(入札を下げているから)

掲載順位を下げるデメリット(クリック数の低下)を広告文で防ぎ、パフォーマンスを担保することが可能です。

キーワード毎に「最適化」をかけていく

入札を調整し全体的に掲載順位を下げたら、次はキーワード単位で最適化をかけていきましょう。

前項で述べたように、広告文をしっかり訴求しつつ掲載順位を下げていけば、CPAを担保できるキーワードが出てきます。

ここで注意したいのが、CPAは下げすぎても良くないという点。なぜなら獲得CV数が減るので、全体で考えるとベストパフォーマンスとは言えないのです。

ですから、「パフォーマンスの良いキーワード」では、今度は逆に入札を高めてCVを取りに行きましょう。

イメージ的に言えば、下図のような感じでしょうか。

全体的には入札を弱めつつも、部分的には強めることでバランスが取れます。結果、成果を悪化させずにCV数を担保することが可能です。

まとめ

今回は、掲載順位を下げて成果を高めるポイントについて解説しました。

一般的に、掲載順位を下げると機会損失が発生しやすいです。しかし、検討期間の長い商材においてはこの限りではありません。

なぜなら、ユーザーはじっくり商品を選びたいと考えているので、下位に表示されている広告もクリックしてくれる傾向にあるからです。つまり、掲載順位を下げていくことでクリック単価を抑えられるため、CPAが担保されます。

全体的にこの方針を採用するなら以下の2点も大切にしましょう。

  • 広告文をピンポイントで訴求していく。(クリック率を高める)
  • パフォーマンスの良いキーワードは入札を高める。(CV数を増やす)

「掲載順位が下がる」->「成果が向上する」のメカニズムは色々な場面で効果を発揮します。

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