ディスプレイ広告の代表格と言えばGDNです。
他の広告媒体よりも、束ねているWebサイトが圧倒的に多く、配信ボリュームを出しやすいからですね。
しかしそれ故に奥が深く、CVへのハードルが高いことも否めません。成果に繋げるためには「ターゲティング」、「入札」、「クリエティブ」のそれぞれで最適化が必要です。
今回はその中でも「ターゲティング」に主眼を置いていきましょう。ここで失敗すると、入札やクリエティブの調整では取り返しがつかず、パフォーマンスを発揮できません。
つまりGDNでは「誰に広告を届けるのか?」が重要なのです。ターゲティングの精度が良ければ、それだけでCV率が高まることを認識してください。
今回は「GDNのターゲティングの種類」について解説していきます。
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GDNにおけるターゲティングの全体像
GDNにおけるターゲティングの種類は、大きく二つに分類されます。
- 「配信面」をターゲティングする方法。
- 「人」をターゲティングする方法。
このそれぞれでより機能を絞り込んだ配信手法があります。これが大まかな枠組みですね。全体像のイメージとしては下図のような形でしょうか。
実際にGDNを活用していく際には、これらを使用していくことになります。
「配信面」をターゲティング
まずは「配信面」を対象にしたターゲティングから見ていきましょう。
コンテンツターゲット
GDNの代表プロダクトである「コンテンツターゲット」。
「設定したキーワード」に関連するコンテンツを持つWebページに、広告を届けるのが仕組みです。
特徴はキーワードを軸にしてターゲティングできる点でしょう。
加えて拡張版である「オーディエンスターゲティング」も重要です。コンテンツターゲットに加え、キーワードに「興味がありそうなユーザー」にも広告を配信します。
コンテンツターゲット(面)のみを配信対象とするか、オーディエンスターゲティング(面+人)まで拡張させるのか。答えはケースバイケースバイであり、運用者の判断が問われる部分ですね。
成果へ繋げるには以下が大切です。
- 成果に繋がるキーワードを選定する。
- オーディエンスターゲティングまで拡張させるかを適切に判断する。
GDNにチャレンジするなら、絶対に使うべき配信手法と言えるでしょう。
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なおコンテンツターゲットの効果をより高めるためには、「キーワード選定」を適切に行ったり、「自動入札」と組み合わせたり、工夫をしていくことが大切。配信ボリュームが多いので、不要なプレースメントの除外も必要ですね。
これら応用的な視点から、実際の設定方法については以下の記事にまとめています。ご参照ください。
トピックターゲット
「トピックターゲット」は、Googleが分類している特定のトピックを指定し、そのトピックに関連したコンテンツがあるWebページへ、広告を届ける手法です。
メリットはGDNの中でも、配信ボリュームを多く出せる点でしょう。
ですが注意点も。それは認知施策として機能するため他の施策と組み合わせたり、入札を下げたり、運用に工夫が求められるからです。
配信ボリュームを多く出せる。だからこそ違った側面でターゲットを絞り込み、パフォーマンスを高める。トピックターゲットではこの視点を意識してください。
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実際に扱う際には「リマーケティング」「指名ワード」と組み合わせるのが良いでしょう。また配信量が多いゆえ、「ユーザー属性」を絞り込んだり、「プレースメントの除外」を細かく行なったり、細部の調整でパフォーマンスが変わります。
トピックターゲットの設定方法や、効果的な使い方に関しては、以下の記事にまとめました。ご参照ください。
プレースメントターゲット
GDNと提携しているメディアの中で、配信先を直接選べるのが「プレースメントターゲット」です。
簡単に言うと、あらかじめ狙った「出稿先」でCVを刈るイメージでしょうか。
コンテンツターゲットやトピックターゲットを使っていれば、成果の良い配信面が出てくるもの。そのような出稿先が見つかれば、プレースメントターゲットで集中的に攻めましょう。
つまり成果を見込める「配信面」を見極めて、確実に結果に繋げる。このような考え方で利用する配信手法ですね。
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使用する際には通常のディスプレイ広告とは違い、入札を高めることを推奨します。なぜか?それはパフォーマンスの良い配信面を独占するためですね。
プレースメントターゲットの設定方法、メリット、効果的な使い方については以下の記事をご参照ください。
「人」をターゲティング
「人」を対象にしたターゲティングを見ていきましょう。
リマーケティング
GDNの王道メニューである「リマーケティング」。
一度サイトへ訪れたユーザーに、もう一度「再訪問」を促す広告を見せる手法です。
リピーターに対してネット上で追客する機能、と考えればイメージしやすいでしょう。特徴は見込み客に再アプローチできるため、CVを取りこぼさずに済む点です。
「新規ユーザー」よりも「リピーター」に接触した方が、成果に繋がりやすいことに異論はありません。
GDNを使うなら、必須の配信手法と考えて良いでしょう。
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なおリマーケティングの仕組みや設定方法、効果的な使い方に関しては、以下の記事で解説しています。ご参照ください。
リマーケティングはGDNの中でも奥が深く、うまく扱うほど、パフォーマンスが担保されます。一番目を向けるポイントは「誰を追客するべきか?」という部分でしょう。すなわち「リマーケティングリスト」の精度を高めれば、より成果が向上するわけです。
リマーケティングリストとは
Webサイトに訪れたユーザーのリストのこと。
リマーケティングリストの仕組みから、作成方法、成果を出すための考え方については下記にまとめました。ご参照下さい。
リマーケティングはCV率が高く、CPAを担保しやすい一方で、新規顧客開拓には向きません。あくまで追客の機能だからですね。つまり「メリット」だけではなく、「デメリット」もあります。これらについては下記にて解説していますので、併せてご参照ください。
インタレストカテゴリ
「インタレストカテゴリ」は、Googleが用意している「カテゴリ」を選択し、そのカテゴリに関心があるユーザーへ広告を届ける手法。
インタレストカテゴリには次の3種類があります。
・アフィニティカテゴリ
・カスタムアフィニティカテゴリ
・購買意欲の強いユーザー層
ここでは使用頻度の多い「アフィニティカテゴリ」、「カスタムアフィニティカテゴリ」を見ていきましょう。
アフィニティカテゴリ
ユーザーの趣味や興味の観点で、大きくターゲティングします。
インタレストカテゴリの中でも配信ボリュームが多く、商材を認知させたい場合に向いているでしょう。
懸念点としては、幅広くターゲティングをしてしまうので、見込み客に精度よく接触することが難しいことでしょうか。そのため入札を下げたり、リマーケティグと組み合わせたり、CVへ繋げるための工夫をしつつ活用してください。
参照リンク :
アフィニティカテゴリ全般については下記にまとめています。メリットから設定方法、効果的な使い方まで解説しています。ご参照ください。
カスタムアフィニティカテゴリ
「カスタムアフィニティカテゴリ」は、より「ターゲット」を絞り込んで配信する機能ですね。
分類されたカテゴリー層へ接触するのではなく、次のように配信対象を定めます。
- キーワードを入力して商材に合った「興味・関心」を作成する。
- URLを指定して商材に合った「興味・関心」を作成する。
つまりターゲティングの「カスタマイズ」が可能。注意点は細かくしすぎると、今度は配信ボリュームが出ないことでしょうか。
パフォーマンスを担保するためには、以下を意識してください。
- 5個以上の「キーワード」、「URL」を指定する。
- 文字情報が多い「URL」を指定する。
デモグラフィックターゲティング
「デモグラフィックターゲティング」はユーザーの「年齢、性別」(以下、ユーザー属性と統一します)を絞り込む方法。
GDNでは配信対象が多いゆえ、「ユーザー属性」を絞り込まないと、老若男女に広告が届きます。
もちろん配信ボリュームが多いに越したことはありません。
しかし顧客となりえないユーザーへ接触しても、CVは起きませんね。つまり無駄な広告費用がかかるわけです。
そこでユーザー属性を絞って、ターゲット層に直接アプローチし、広告効果を上げようということなのです。
GDNで選べるユーザー属性は以下。
- 性別(男性、女性、不明)
- 年齢層(18~24 才、25~34 才、35~44 才、45~54 才、55~64 才、65 才以上、不明)
配信対象を絞り込めばCV率が高まる。不要なユーザーを除外すればCPAが改善される。デモグラフィックターゲティングの調整は、パフォーマンスの改善に欠かせません。
参照リンク :
「ユーザー属性」の活用方法として、除外をせずに、入札を弱めつつ配信するのも一つの手です。このような形をとることで、機会損失を防ぎつつも、CPAの悪化を防げるからです。
デモグラフィックターゲティングの仕組み、設定方法、応用的な使い方については以下の記事にまとめました。ご参照ください。
類似ユーザー
「サイトを訪れたユーザー」と「共通の属性を持つユーザー」に、広告を届けるのが「類似ユーザー」。
特徴は「新規ユーザー」へのアプローチが可能になり、認知施策が進むことでしょうか。「リマーケティングリスト」を元に「類似ユーザーリスト」が作成され、このリスト内のユーザーへ接触するのが仕組みです。
従って活用するなら、ある程度の配信実績が必要。そのため使うタイミングは以下と言えるでしょう。
- 既存の施策を実施して運用状況が安定している。(CPAが担保されている)
- このままマンネリ化しないように、新規施策を打ちたい。(CV数を増やしたい)
つまり「新規顧客開拓」の次なる施策に向いています。
広告運用ではあらゆる場面で、成果の「伸び悩み」に直面しませんか。この壁を打破するためには、常に新たな一手を打ち続けなければなりません。そんな状況に直面したなら、類似ユーザーを使うと良いですね。
参照リンク :
類似ユーザーは認知施策の側面が強いゆえ、入札を下げた方が望ましいです。加えて「リマーケティング」や「指名ワード」と組み合わせるのがベスト。
設定方法からメリット、デメリット、効果的な使い方に関しては、以下の記事で解説しています。ご参照ください。
スマートディスプレイキャンペーン
「配信面」「人」に関するターゲティングを自動で行う「スマートディスプレイキャンペーン」。
この手法では機械学習によって、「ターゲティング」「入札」「広告作成」の全てが自動で行われます。
簡単に言うとGoogleが、「コンバージョンに繋がる」と判断したユーザーへ、広告を届けるのが仕組みですね。
Google広告では自動化が進んでおり、スマートディスプレイはその究極版と言えるでしょう。
機械学習とは
人間が持つ学習にあたる仕組みを機械で実現する技術・手法。Google広告では、機械学習が進むほど、成果が向上します。
大量のCV数を稼げるのが特徴ですがデメリットもあります。下記の条件を満たせなければ、スマートディスプレイは使用できません。
- 過去30日間以内に、ディスプレイネットワークで50回以上のコンバージョンを獲得。
- 過去30日間以内に、検索ネットワークで100回以上のコンバージョンを獲得。
つまり既に成果が出ているアカウントにて使える手法なのです。運用の過程が進み、もっと成果を飛躍させたい。そんな場面でぴったりな機能だと言えるでしょう。
参照リンク :
スマートディスプレイの成果を加速させるための方法は、パフォーマンスを安定させることです。CPAを担保できれば、機械学習が質のいいデータを学習し、運用に生かしてくれるからですね。
仕組、設定方法、応用的な使い方に関しては下記にてまとめました。ご参照ください。
まとめ
今回は「GDNのターゲティングの種類」について解説しました。「人」と「配信面」を軸にターゲティングが可能です。
まずは全体像を理解する。その上で「商材の特徴」や「運用状況」によって、どの機能で攻めていくか判断しましょう。
忘れてはならないのがターゲティングの「絞り込み」や「掛け合わせ」です。
種類自体は多くないものの、複数の手法を掛け合わせていけば、パターンは無数に生まれます。
そして入札やクリエティブの最適化を図ることで、どんどん成果は向上する。GDNでは工夫を凝らすほどパフォーマンスを担保できます。
是非とも定石をマスターし、自分の得意パターンを確立してください。